コラム

採用ブランディングの重要性とは?具体的な導入の流れについても解説

企業としては、優秀な人材を獲得したいものですが、少子化が進み人材確保が難しくなっている背景があります。そんな中、優秀で自社にマッチした人材の確保には採用ブランディングを行う必要があります。ここでは採用ブランディングの概要やメリットについて紹介するとともに、導入の流れについても詳しく解説していきます。

1.採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、そもそもどういったことをいうのでしょうか。ここでは、採用ブランディングの概要と目的、消費者向けのブランディングとの違いについて紹介していきます。

1-1.概要

採用ブランディングとは、求職者に対して「この会社に入社したい」と思ってもらうために自社をブランド化することを言います。結果、人を集めるのではなく、集まる会社へと変わっていきます。ブランディングとは、もともとマーケティングで使用される用語です。ブランドから発信する情報やイメージをユーザーにも同じように思わせ、共通認識させるのがブランディングです。たとえば、高級ブランドの財布は10万円以上するものも多く売っています。同じ財布でも、ほかでは数千円で売っているものもあり、値段だけを見ればわざわざ10万円もする財布を買う人は少ないでしょう。

しかし、実際に10万円以上する財布を購入する人も多くいます。これは、そのユーザーが高級ブランドそのものに寄せる信頼や共感を高め、価値を見出し、ブランドが発信する情報やイメージを共通認識しているからなのです。採用ブランディングとは、就職や転職に関する採用の市場において、これを当てはめたものを言います。求職者に対して自社のイメージをアピールして情報などを統一されたブランドコンセプトを基に発信することで、自社の理念や価値などを共通認識させるのです。

また、採用ブランディングと似ている言葉で、コーポレートブランディングという言葉があります。これは、対象が顧客や出資者、従業員といった広い範囲に及ぶものです。採用ブランディングは、特に採用活動の強化に焦点を当てているため区別されますが、コーポレートブランディングも採用ブランディングに影響を及ぼすもののひとつとなります。

1-2.目的

採用ブランディングの目的は、自社が求める人材に自社の理念や魅力を伝えて就職先に選んでもらい、その人材を獲得することです。就職や転職を考えている人たちに対して、自社の企業としての価値や会社が目指す在り方などを知ってもらい、自社への入社意欲を高めてもらいます。そのために重要となるのは、自社がどんな人材を求めているのかを決めることです。どんな人材が欲しいのか、そのターゲット像を設定しないと、すべてが曖昧なものとなってしまいます。自社の求める人材は人事や採用担当者だけで決めるものではなく、経営陣や現場の意見をまとめて戦略的に決めていくことが大切です。

また、自社のブランドの認知は、すぐに広まるものではありません。良い商品や良いお店が口コミで広がっていくようにゆっくり広まっていきますので、早急に結果を出そうとせずに、じっくりと取り組むことが重要です。

1-3.消費者向けブランディングとの違い

消費者向けブランディングとは、自社の価値や魅力などを消費者や顧客、ユーザーを対象に行うことで、採用ブランディングとは対象が違います。消費者向けブランディングに成功している企業は、世間からの認知度も高く一般的に人気があります。しかし、世間的な認知度が企業の人材獲得に有利に働くとは限りません。知名度が高いと憧れもあり、そこで働きたいと思う人が多く出てきます。しかし、企業側にとって求めている人が多く集まるとは限らないのです。

人材採用の市場において企業が求めていない人材が多く集まってしまった場合、その選考に多大なコストがかかってしまうケースも少なくありません。逆に、消費者にとっては知名度が低い企業でも、自社の魅力や価値などの情報を効果的に発信することによって、自社が求める優秀な人材を集められる可能性も十分にあるのです。こうしたことから、優秀な人材を獲得するためには、消費者ブランディングとは別に採用ブランディングが重要となるのです。

2.採用ブランディングを行うメリット

採用ブランディングは、企業にとってさまざまなメリットがあります。ここでは4つのメリットについて紹介していきます。

2-1.求める人材が集まりやすくなる

採用ブランディング行うことで、企業が求める人材が集まりやすくなります。企業が効果的に会社の理念や魅力、価値などの情報を発信することで求職者への認知度やイメージが向上し、応募者の増加が期待できます。また、多くの求職者は企業が打ち出すコンセプトなどを理解したうえで応募してくるため、会社とのマッチ度が高い人材が集まりやすくなるのです。

求める人材の割合が高い、濃い母集団を形成することができ、選考もスムーズに進みます。募集していたからということで、何となく選考を受けるという求職者は少なくなるため、結果的に採用活動の手間を削減するとともにコストの削減にもつながるのです。

2-2.内定辞退や早期離職が予防できる

採用ブランディングを行うことによって、自社とのマッチ度が高い人材が集まりやすくなるため、選考に合格して内定を出したあとで辞退する人を減らしたり、採用後に早期離職をする人を減らしたりすることができます。求職者のなかには、企業のイメージや認知度だけで試験を受ける人もいます。しかし、現実とのギャップから、内定や採用のあとに辞退したり早期退職したりする人が少なくありません。これは求職者にとっても、企業側にとってもマイナスです。

採用ブランディングをすることによって、求職者は企業とのマッチ度が高い状態で選考に望めますし、新入社員は自社のビジョンや社風などをすでに共有した状態で入社できます。したがって、あとから内定を辞退したり、ミスマッチに気づいて離職したりすることが少なくなるのです。さらには、会社のことを知ったうえで入社してくるので、新入社員の教育もスムーズに行えます。

2-3.既存社員の帰属意識が高まる

採用ブランディングを行うことで、求職者のみならず既存社員の帰属意識も高まります。採用ブランディングを行う過程で、改めて既存社員にも自社の魅力について見つめ直すきっかけを与えるからです。たとえば、新入社員を迎えるために採用ブランディングについての会議中に、自社が提供している商品やサービスの魅力に改めて気づくことが多々あります。また、忘れかけていた会社の理念やビジョンを再確認することもあり、その結果、既存社員の帰属意識が高まりやすいのです。

また、採用ブランディングで自社のアピールポイントなどを明確にすることによって、採用担当者は自信をもって自社の良いところを紹介できます。大企業などに引け目を感じることなのない、自信と誇りをもったアピールは多くの求職者を集め、それにより既存社員のモチベーションも高まり、企業内すべてに好循環が生まれることが期待できるのです。”

2-4.競合他社との差別化が図れる

少子化が進むに連れて、各企業における有力な人材を獲得するための競争が激しくなっています。採用活動のなか、求める人材を競合他社に取られてしまうケースも少なくありません。たとえば、就職活動をする場合、多くの学生が面接の対策をします。その対策の内容は、ほとんどが一般的な面接の対策で、どこの会社でも通用するようなものです。自社の採用面接で応募者がこういった、どこの会社でも通用するような言葉を使っている場合は、自社がオリジナリティを確立できていないことになります。

結果、見つけられなかった優良な人材を競合他社に取られてしまうことにもつながるのです。しかし、採用ブランディングによって、自社のオリジナリティを確立することができます。自社が望む人材を選択することが容易となり、競合他社との違いを認識した人材が集まってくるようにもなるのです。さらに、採用競争に巻き込まれないようにもなりますので、自社のペースで望む人材を見極めて、獲得することができるようになります。”

3.採用ブランディングを行ううえで重要なポイント

採用ブランディングにおいて重要なことは、会社全体で一貫した意識を共有することです。採用活動に限ったことではなく、ブランディングでは基本的に発信する情報に一貫性を持たせることが重要となります。なぜなら、情報に一貫性がないとターゲットとなる人たちの心に迷いを生じさせることになるからです。たとえば、採用活動において企業が発信する情報に一貫性がないと、求職者は何が正しいのかわからず疑心暗鬼になり、応募につながらなくなるおそれがあります。

また、万が一そのまま採用されてしまった場合は、採用者と現場の既存社員との意識の違いから、現実とのギャップを感じてしまい早期退職の原因にもなりかねません。そうならないためにも、採用前の段階で求職者に安心感を与えることが重要で、自社が目指している方向性と既存社員が目指している方向性を一致させる必要があるのです。採用ブランディングに先立っては、社内でのインナーブランディングを徹底して行い、双方にずれが生じないよう採用方針などを浸透させておくことが大切です。

4.採用ブランディング導入の流れ

ここからは、実際に採用ブランディングを導入する場合の流れについて紹介していきます。主に3つの手順があるので、それぞれを詳しく見ていきましょう。

4-1.手順1:ターゲットを設定する

採用ブランディングを実際に導入する過程としての1つ目は、ターゲットの設定です。自社が人材を採用しようしてやみくもに人を集めようとすると、必要としない人材が選考に集まって来る可能性も高くなります。また、応募者に「誰でも歓迎」というような受け取り方をされてしまうこともあります。有能な応募者ほど「自分を必要としている会社に行きたい」と思うものです。ターゲットを設定しないと、有能な人材に応募してもらえないという事態も起きてしまうのです。

そのため、経営陣と採用担当者のあいだで、どんな人材を獲得したいのかについてよく話し合い、ターゲットとする層と優先順位を決めておくことが大切です。ターゲットの設定には、自社で中長期的に活躍している人材の属性を分析して、参考にするとよいでしょう。また、今後の自社の成長のことも考えて、人材が足りていない分野などを調査したうえで、ターゲット設定をすることも大切です。

4-2.手順2:ターゲットに訴えるべき自社の強みを見極める

採用ブランディングを導入するにあたって2つ目の手順として、設定したターゲットに訴えるべき自社の強みを見極めることです。自社の強みが、設定したターゲットの心に響かなければ応募につながらないでしょう。経営陣と採用担当者、既存社員も含めて、ターゲットの心に響く自社の強みはどんなところにあるのかを、しっかり検討することが大切です。このとき、さまざまな面で採用活動における競合他社と比較すると、自社の個性が見極めやすくなります。

また、顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)から成功の要因を探し出て自社の戦力に生かす、3C分析も役に立ちます。さらには、自社の強みをターゲットに投げかけたときの反応を見るシミュレーションを行ってみるのも良い方法と言えるでしょう。

4-3.手順3:継続的に情報を発信する

採用ブランディングを実際に導入する3つ目の手順は、継続的に情報を発信することです。設定したターゲットが決まり発信する内容が決まったら、そのメッセージがより多くの人に伝わるように継続的に発信することが重要です。現代社会では情報のチャンネルが豊富にあります。人それぞれ頻繁に利用しているツールは違いますので、設定したターゲットが使っているツールを見極めることが大切です。

しかし、自社の職種や特徴と設定したターゲットを照らし合わせれば、どんなツールを頻繁に使っているか、おおよそ見当がついてくることでしょう。ターゲットが普段から使用しているツールを情報発信に利用すれば、効率的にブランディングが行えます。

5.採用ブランディングで効果的に情報発信が行える手段

採用ブランディングを導入した際に、効果的に情報を発信する手段は主に3つです。
1つ目は、自社の採用サイトです。自社のホームページのため、さまざまなフォーマットに縛られることなく、自由に自社の魅力や理念などを伝えることができます。自社が伝えたいキーワードを盛り込み、やりがいなどが伝わるページにしましょう。
2つ目はSNSです。多くの人が利用しているSNS(特にTwitter)を使って情報を発信することによって、既存社員のありのままの姿を伝えることができますし、求職者と気軽に交流できます。
3つ目は、会社説明会やセミナーです。直接求職者と交流することができる場となりますので、自社の魅力も存分にアピールすることができます。また、求職者の興味を惹くチャンスでもありますので、オリジナリティのあるプレゼンを行い競合他社に差をつけましょう。”

採用ブランディングで優秀な人材を確保しよう
採用ブランディングには応募者の増加や採用コストの削減など、多くのメリットがあります。採用ブランディングが成功すれば、採用活動の場に自然と優秀で自社が求める人材が集まる体制を構築することができます。もし、採用活動において上手くいっていなく競合他社に差をつけたいと思っている場合は、採用ブランディングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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