内定辞退防止!中小企業向け|面談3回で安定できる具体策とは?!

内定辞退防止!中小企業向け|面談3回で安定できる具体策とは?!

内定辞退防止のための三つのポイント

こんにちは。人材開発事業部採用ユニットのチームリーダーの藤木です。
初めての方もいらっしゃると思いますので、簡単な自己紹介をさせていただきます。
船井総合研究所入社後、「人材」にテーマを定めプロジェクト&コンサルティング支援を行ってきました。
「優秀な人材採用・育成こそが永続的な企業の業績アップに繋がる」という信条の基、これまで全国数千人の採用・育成を
手がけてまいりました。いわゆる、船井流の人材開発コンサルティングサービスの基礎を立ち上げてまいりました。

今回のコラムでは、新卒採用に取り組んでおられる多くの企業が気になる、“内定辞退防止策”についてお伝えしたいと思います。

辞退防止の具体策は3回安定の法則?

8月に入り、すでに約80%の学生が内定をもらっているという報道がありました。
毎年、学生の多くは大手志向であり、大手企業の内定をもらう前に中小企業から内定をもらった状態、つまり保険をかけた状態で大手企業の選考を受け最終的に天秤にどこに就職するのか検討します。
こういった状況の中で内定辞退率を如何に下げるか?は中小企業の命題となっています。

どのようにすれば内定辞退率を下げることができるのか?
採用活動というと、内定を出すまでの選考のプロセスがメインで、フォローはその次というイメージがあります。
しかし、内定辞退率を下げるためには選考プロセスよりも、内定者フォローのプロセスをしっかり管理する必要があります。

具体的には、内定者との個別面談の実施回数、内定者の集合研修への参加回数の目標値(KPI)を定めてそれを管理することです。
多くの学生の内定辞退までのプロセスには一定のルールがあります。
まずは、面談や研修に参加しなくなることです。次に参加してもどこかうわの空になっており心ここに在らずという状態が続くと辞退になる確率が非常に高くなります。

逆に、面談を3回以上実施することができ、集合研修にも3回以上参加した学生の辞退率は急激に下がります。
ある企業では、面談を3回以上実施することができた学生の辞退率はほぼ0%(0名/20名中)でそれ以外の学生は、60%辞退したという結果が出ていました。

上記のことからも分かるように、内定辞退防止のために効果的なことは、まずは内定者との面談や研修に目標値を設けて管理していければ自然と辞退率は下がります。
ついつい、選考のプロセスを重視しがちですが、今年は特に内定フォローのプロセスも大切にすることが目標採用人数を達成するためのポイントになっています。

辞退防止の面談は採用担当者ではなく、現場の社員と!?

面談を複数回実施することで、内定辞退率が下がるということをお伝えしましたが、採用担当者が面談を複数回実施するのではその効果はあまり見込めません。

どういうことかというと、多く学生から「就職先決定の際に必要なこと」として一番にあがる意見が「現場社員との面談」なのです。
つまり、採用担当者は良かれと思い、気心知れた自分たちとの面談を通じ内定者の不安や意思決定をサポートしようとするのですが、
実は学生が必要としているのは「現場社員との面談」なのです。

また、内定者の企業決定の大きな理由の1つに「色々な社員さんと会い、自分のキャリアビジョンが描けた」というものがありますが、
それに対応するためには、キャリアステップに合わせた社員面談を実施すると更に効果的です。
はじめは若手(新人)社員との面談、次にリーダークラス、そして幹部クラスと面談をすることで、自分自身のキャリアステップが明確になるのです。
ただ、採用担当者が3回面談をするのではなく、テーマや狙いをもって面談に取り組むことをオススメします。

内定辞退防止率を高める面談の効果的な進め方。

次に面談者の面談の効果的な進め方に関してお伝えします。

一つ目が「自社に決めるいい訳を作る」
自社に入社する覚悟を決めてもらうためには自社に決めるいい訳(理由)を作ることが大切です。
特に両親や友人に対するいい訳を作ることが大切です。その際、「人が良いから」などぼんやりした理由では、親や友人たちには理解してもらえません。したがって、自分の将来のビジョンとそれに向けたベストな環境があるということを理由として内定者と一緒に作り上げましょう。その際、学生と一緒に言い訳を考えることも重要な惹きつけ要素となります。

次に「自社の欠点を伝える」
学生に最終的に決断を迫る際、企業の良いところだけでなく、悪いところも伝えておく必要があります。
いい事ばかりいうことでは不安は払拭できません。むしろ悪いところをしっかりと伝えた上で、それをどうやって改善していくか?そこまで面談の中で伝えることができれば、不安の払拭になります。そして、悪いところまで伝えた結果、「自社に入社したいです」と学生がいうと、辞退率が下がります。

最後に「最終選考の最後に経営者自ら学生と握手する」
面談の最後に「よろしく!」「期待しているよ」と言いながら、学生と握手しましょう。
その際の握手に戸惑いや迷いが無ければ、内定辞退率は下がったと考えても良いでしょう。
逆に、戸惑いや多少の迷いがあるようであれば、もう一度面談を実施したり、他の社員との接点を設けるなど対策が必要です。

単純なようですが、内定辞退率を見極めるためには効果的な手法です。

お客様を集める時代から、働く社員を集める時代へ

これまでの企業経営において、いかに「お客様」を集めるかが企業の命題だと考えられていました。
しかし、人口減少、高齢化社会、グローバル化、などダイバーシティ化する世の中では、むしろ「働く社員」をどう集めるのか?

つまり、企業の事業戦略合わせた採用戦略の精度が、永続する企業経営には欠かせなくなっています。
これまでの経営のセンターピンは「お客様」けれどもこれからの企業経営のセンターピンは「働く社員」にあることは間違いなさそうです。

そのセンターピンを見誤ってしまうと、どんなに優れたマーケティング活動をしていても、業績は上がらず、組織は疲弊していくばかりです。
改めて、自社の人材戦略を見直してみてください。