採用計画の基礎知識

採用計画の基礎知識

採用計画の基礎知識

採用計画とは、企業の事業計画を立てる中で作成する人員計画を実現するために、必要な採用人数を算出した計画です。

採用計画を立てる上では、当然企業の業績に連動した計画となっている必要があり、業績の上昇幅に合わせた採用計画を立てることが必要です。

作成する上では、全体の人数だけではなく、各職種・拠点ごとの人数に合わせて作成する必要があり、また一定の離職者を考慮して作成しておかないと、実際に必要な人員数を満たせなくなってきてしまいます。

こうしたポイントを押さえて作成する必要があるのが採用計画です。

 

採用計画を立てるために必要な「自社の情報」

採用計画を立て売上では、こうした情報をあらかじめ準備していただくことで、スムーズにその立案が進みます。

直近3か年程度の情報を集めておけると、現状に近い情報が集まります。

長期間の情報にしすぎると現状の組織環境とマッチしない可能性があるため、あまり遡りすぎないことも大事です。

ご用意いただきたいのは、

「平均売上推移」(売上成長率の%を把握しておけると良いです)

「過去離職率」(3か年の推移が分かればよいです)

「採用率」(応募していただいた方の中から採用に繋がった人の割合)

「かかったコスト」媒体や紹介会社などコストが発生しているものに関しては、どの程度の費用を投じて、どの程度の成果が出たのかを把握します。

コストの分析としては、「応募当たり単価」「採用単価」などを算出しておくことで、今後の採用の効果測定の費用対効果の判断がしやすくなります。

 

採用計画策定の際に考えるべき項目

採用計画の策定の際には、考慮しておくべき項目がいくつかあります。

必ず押さえておくべきなのが下記5つになります。

「離職率」

「職種別」

「拠点別」

「新卒・中途採用数」

「生産性」

離職は先ほどもお伝えした通り、一定の離職はどの会社でもほぼ発生するものですので、過去数年間の離職率の平均から今後の離職が発生する可能性というのは考慮しておく必要があります。

また、採用の方法やコストなどを具体的に検討する上では、当然職種別に採用のプランを立てることになりますし、エリアも決めておく必要があります。

そのため、職種別・拠点別の計画となっておくことも必要です。

さらに、それを新卒で採用するか、中途で採用するかということも採用のプランに大きく関わることですので、ここも決めておきましょう。

そして、全体の人数ボリュームの適正を判断する上では1人当たりの生産性も考慮に入れます。この数字が現状のものと比べて、高すぎないか?低すぎないか?を見て、採用計画が高くなりすぎていないかを判断します。

 

採用計画を策定する際のポイント

こうしてポイントを押さえながら採用人数の計画を立てていきますが、気を付けていただきたいのは「理想を描き過ぎない」ことです。

離職率や生産性などは、将来に渡って改善していこうという意思をお持ちの方がほとんどだと思います。ですが、今後の見込みを計画に入れてしまうと、実際の状況とマッチしない計画となってしまう可能性が出てきます。

特に採用においては、そもそもの行動計画・ボリュームとの差が出てくることで計画の達成自体が難しくなってしまう場合があります。

ですので、計画段階ではあくまで現状と同程度の水準として計画は立てつつ、改善は改善で進めるという考え方で立案いただいた方が確実です。

 

採用計画を立てるために必要な要素

ここまでお伝えしたように採用計画を立てるにあたっては、まず採用の人数を確定させることが重要となります。それに合わせて行動のプランが変化するためです。

そこで立てた計画数に合わせて集客のプランと規模感・予算感を決めて採用スケジュールを立案します。

その後、集客戦略の実行段階にシフトさせ、採用を進めていくことになります。

採用が決まるころには入社の意思決定のフォローや人材育成フェイズに入っていくことになります。

流れとしてはこのようなイメージです。

 ステップ必要採用人数の策定

 ステップ採用スケジュールの策定

 ステップ集客戦略の立案・実行

 ステップ入社前後のフォロー・人材育成へ

 

採用計画を立てる手順

採用計画を立てる手順としてはこうした流れになりますが、一度立てた採用計画は当然見直していくことが必要です。

採用計画を立てた後に行うべきこととして、3か月~6か月に1回程度は全体の採用進捗に合わせて見直しと修正が必要となります。

計画していた媒体や集客プランが機能しているのか?ターゲットに合わせた採用活動ができているか?を分析し、継続して進めるか否かの判断を行います。

新卒採用など動きが速い採用手法においては、月1回程度は状況に合わせた変更が必要になります。

また、年に1回は当初に立てた採用計画の修正は行う必要があり、見込んでいた離職率や生産性が計画通りに進んでいるのか?変更の必要があるか?を判断しながら、翌年の採用計画のボリュームと予算組みをしていきます。

 

こうしたポイントや進め方をご理解いただくことで、採用計画の立案をしていくことはそれほど難しくはないと思います。

一番のポイントは立てた計画通りの採用が実現できるか?というところになります。

欲しいタイミングで欲しいレベルの中途採用が行えるか?新卒の人数が予定通りに採用できるか?が最も重要になるのですが、この計画実現の難易度が年々高まってきています。

採用計画を立てたもののその計画通りに進んでいない方や、どういうプランを組めば実現していくのか?などでお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひご相談いただければと思います。

人事戦略に関するおすすめ記事

優秀な人材や若手を定着させる方法

業績アップを加速させる人事戦略の作り方

採用計画の基礎知識