企業内弁護士(インハウスローヤー)が急増中、弁護士を採用する方法とは?

企業内弁護士(インハウスローヤー)が急増中、弁護士を採用する方法とは?

企業内弁護士(インハウスローヤー)とは?

企業内弁護士(インハウスローヤー)と呼ばれる企業が弁護士を雇用し、自社の法務問題を対応するケースが増えています。

日本組織内弁護士協会によると2006年には146人だった企業内弁護士が2016年には1707人まで増えています。10年で10倍以上に増えているという状況です。
この背景には、企業のコンプライアンスの重視、M&A案件の増加、働き方の変化による労務トラブルなどが増えていることが要因と言われています。
これまでは顧問弁護士に相談をすることで問題を解決していたのですが、近年ではこれらの問題が多様化し増加していることから、自社で弁護士を雇用することで業界事情を汲み取った上で迅速に対応することができます。

日頃、私は法律事務所の専門のコンサルタントとして弁護士採用を行っております。そこで今回は弁護士を採用する方法についてご紹介します。

弁護士を採用するための応募獲得方法

弁護士は2006年より新司法試験制度が開始し、司法試験の合格者数が大幅に増えました。
日本弁護士連合会によると2006年以前は長年1000名未満の状況が長く続き多くても1500名ほどでしたが、それ以降は2000名ほどまで増加してします。

その結果、メディアでは弁護士は就職難ということを目にしますが、実際には法曹需要の高まりのもあり大手法律事務所が弁護士の採用数を増やし、企業も企業内弁護士の採用を増やしているため、むしろ弁護士は採用難であると感じています。
実際に、各地域の法律事務所より以前より弁護士の応募が集まりにくいという声を多く聞きます。

そのような状況で弁護士を採用するための主な応募獲得ルートはこちらです。

■合同説明会
・東京三弁護士会合同就職説明会
・大阪弁護士会採用説明会など
■有料求人媒体
・ジュリナビ
・アットリーガルなど
■紹介会社
・弁護士ドットコムキャリア
・クリーク&リバーリーガルエージェンシーなど

この中でも合同説明会は、1度に多くの方をお会いできるために弁護士を採用する上では効果的です。主な合同説明会としては10月に開催されます東京三弁護士会合同就職説明会と大阪弁護士会採用説明会があります。どちらも関東、関西だけでなく全国の司法試験合格者の方が参加されます。

こちらの合同説明会でより多くの方にブースを訪問してもらうポイントとしては3点あります。

①事務所・企業紹介資料
両合同説明会とも参加求職者へ事務所紹介の資料を配布しています。こちらの資料を見た上で訪問するブースを決めている方が多くいらっしゃいます。ここ数年で多くの方が訪問する事務所紹介の傾向は、教育・研修制度の充実などの成長できる環境や働きがいを紹介する内容が好まれると感じています。

②ブース作り
まだまだブースの装飾を行っている法律事務所が少ないのが現状です。一方、企業の方は積極的に装飾を行っています。ポイントとしては、①の事務所紹介の傾向に関連した特長が伝わるブースにすることです。

③声がけ
10月から就職活動を開始する方も多いため、情報収集の方が多くいらっしゃいます。そのため、ブースの前を通られた方へ声をかけていただくことで、ブースへ誘導することも可能です。その際には、求職者にどのような事務所・企業に行きたいのかを聞いた上で、ブースを案内することです。

弁護士採用は新卒採用と比較すると合同説明会は控えめな打ち出しが多く見えられます。それは求職者の志向性にも現れており、目立つから人気が出るというわけではありません。特に企業はその点に気をつけた上での準備が必要です。

合同説明会での採用事例

これらのようなポイントを押さえていただくことで2016年の東京三弁護士会合同就職説明会では、札幌の法律事務所では40名がブースを訪れ30名が選考へ応募、神奈川の法律事務所では30名がブースを訪問し20名が選考へ応募するという結果となりました。
大阪弁護士会採用説明会では、大阪府内の法律事務所で30名がブースを訪問し15名が選考へ応募されました。
都内や大阪市内の法律事務所へ人気が集中する傾向があり、またほとんどの法律事務所ではブース訪問者が10名にも満たないことも多い中では、非常にうまく応募を獲得できました。

買い手市場から売り手市場へ

今後は、弁護士の就職難から採用難の時代になります。すなわち、買い手市場だった状況から売り手市場になっています。そのような状況で、合同説明会は1度で多くの求職者へお会いできる機会です。

そして今後は、参加するだけでなく、ポイントを押えた取り組みが多くの応募を獲得するためには必須となります。
多様な問題に迅速な対応が求められる昨今では、専門人材の活用が差別化の鍵です。弁護士採用をご検討されている際は、一度ご相談ください。