【3分HR講座】オンラインでも効果を上げる内定者研修とは
【3分HR講座】オンラインでも効果を上げる内定者研修とは
目次
1.内定者研修がこれまで以上に必要な理由
2.内定者研修の目的
3.内定離脱防止
4.即戦力化
5.研修プログラム
6.研修のオンライン化
内定者研修がこれまで以上に必要な理由
下記グラフは、22卒学生の就職活動の「開始時期」を表しています。
このグラフを見ると、就職活動の開始時期は3年生の6月にピークを迎え、8月時点で約60%既に就職活動を進めている事が分かります。
つまり、学生の就職活動の早期化が進んでいるということです。これは、新卒採用を進めている企業の皆様も肌で感じていることではないでしょうか。
その一方で、中小企業の22卒における有効求人倍率は5.28倍と売り手市場となっています。
つまり、学生の就職活動は早期化しているものの、中小企業に応募する学生数よりも中小企業求人数の方が多いため、中小企業における学生の「内定付保率」が上がってきています。
さらに近年のコロナの影響で、企業の採用活動もWebに移行してきています。今まで以上に会社、仕事、社員の理解度が薄くなってきています。
そうなることで、学生の中で「内定を複数持ったまま、どこに入社をしようか最後まで決め切れない」といった層も増えてきています。
こういった状況の中で、内定出しから入社までの期間で、学生の不安を払拭するために内定者研修実施の重要性は上がってきているのです。
ざっと上げるだけでも上図の全てをこなす必要があります。
これに加えて、入社までの内定者フォローや入社後の対応が加わります。
内定者研修の目的
内定者研修は大きく2つの目的で実施されます。1つ目は「内定離脱防止」、そして2つ目は「即戦力化」です。
中小企業の新卒採用は、大手企業とは異なり、採用目標人数を超過して採用確保をすることは、人件費の圧迫が経営に直結してしまうため、なかなか余剰採用が難しくなります。
だからこそ、内定通知後の離脱は、人事戦略に大きな損失を与えてしまいます。中小企業こそ、「内定離脱防止」のために内定者研修の実施を進めていく必要性があります。
内定離脱の防止
内定者研修が内定離脱防止として機能する理由としては、内定者の入社前の不安を軽減できるためです。
研修を通して、会社側がどのようなマインド、スキルを自分たちに求めているのか、または、研修の中での先輩社員との座談会を通して、どんな人が働いているのかが、より明確になります。
さらに、研修の中で入社後に行うであろう実務業務や、職場体験を含めることで、仕事に対する具体的なイメージを付ける事ができます。
このように、入社前の不安を少しでも払拭し、入社後のイメージを具体的に持ってもらうことで、内定離脱防止につなげることができます。
即戦力化
そもそも新卒採用の目的は組織文化形成といった意図もありますが、最終的な目的は「業績アップ」かと思います。新卒採用をして、ただ人を入れるのではなく、あくまでも「投資」であるため、入社後いかに早く成果を出してくれるかがポイントになります。
入社後の成果出しを少しでも早めるためにも、入社前に教えておくべきことは内定者研修の中で教えていく必要があります。
これらの「内定離脱防止」のための不安の払拭や、「即戦力化」に向けた考え方・スキルを伝えていくことは、入社後の早期離職低下に効果的です。
研修プログラム
内定者研修は10月の内定式を境に、テーマが少し変わります。内定出しから10月までの期間は、主に「内定者同士のチーム力を高める」内容にしていきます。一方で内定式から入社までは「社会人としての考え方やスキルを学ぶ」内容にしていきます。
さらに具体的なプログラムは以下になります。実際に中小企業で実施をしている事例になります。
研修のコンテンツとして、必須なのは初回に「研修の目的」を伝えることです。内定者の中には、嫌々聞く人や、なんとなく聞いてしまう人もいます。冒頭にしっかりと目的を伝えることで、意味のある研修にしていきます。
さらに、実施していくべきテーマとしては、「コミュニケーションスキルUP」、「社会人としての基本的ルール」、「1年目社員としての立ち振る舞い」、「入社後の目標設定」です。これらはできるだけ実施していくべきテーマになります。
研修のオンライン化
コロナの影響で、リアルの集合型研修の実施は難しくなってきています。そこでオンラインで内定者研修を実施する企業も増えているのではないでしょうか。
そこで、オンラインで研修を実施するに当たってのポイントをいくつかご紹介します。
1)内定者との対話を大事にする
オンラインとなると、一方的な講座スタイルの研修に陥りがちです。しかし内定者研修は内定者同士の横のつながりも薄く、会社の社員の理解もそれほど進んでいません。
ですので、講師側からの積極的な言葉かけが重要です。対話をメインにした上で、内定者の参加意欲を上げていきましょう。
2)録画をして何回でも視聴できる環境に
オンラインで実施するメリットの1つとして、録画ができることがあります。録画した研修動画は、内定者が入社した後も視聴できる環境に整備しておくと効果的です。
クラウド上などに保存をしておけば、誰でも、いつでも、どこでも、何度でも視聴することができますので、研修コンテンツの習熟度を上げることができます。
3)内定者同士の交流を大事にする
研修の前半では特に内定者同士のつながりを大事にすべきです。内定者が入社前に求めていることは、会社理解やスキルの習得もありますが、一番は内定者同士のつながりを求めています。
オンラインだと、内定者同士の時間が抜けてしまいがちです。ワークなども頻繁に入れながら、内定者の中で交流をする時間を意図的に設けていきましょう。
以上、内定者研修の目的から、具体的なコンテンツ、オンライン化のポイントについてお伝えしました。
内定者の不安の払拭、入社後の即戦力化のために、時流に合った研修の実施を進めていただければと思います。