人材開発コンサルティングの現場から~組織活性化編~ 行動特性を活用して組織活性化を実現する
組織の活性化手法について、DiSC®アセスメントを用いた考え方でお伝えします。人の行動特性を「親分型」「楽天型」「協調型」「分析型」の4つに分類します。人は目の前で起こったことや、他人に言われたこと、体験・経験したことに対して、過去の自分の記憶や体験・経験を元に判断して行動を起こします。そしてそれが積み重なり、その人の価値観や信念となり、その人独特の行動特性が出来上がっていきます。例えば、「親分型」や「楽天型」のウエイトが高い人はスピード重視であり、行動してから考える傾向があります。一方、「協調型」や「分析型」のウエイトが高い人は思考重視であり、考えてから行動する傾向があります。
行動特性の違い
これだけで、価値観は真逆になります。「親分型」「楽天型」のスピード重視から見れば、「協調型」「分析型」の思考重視の人は行動が後になるので、じれったくて仕方がありません。つい、仕事が遅い、できないと勝手なレッテルを貼ってしまいます。一方、「協調型」「分析型」の思考重視から見れば、「親分型」「楽天型」は行動が先なので、何も考えない無謀な人と捉えてしまいます。
コミュニケーションギャップはなぜ起こる
このように、本来は長所なのに、行動特性が異なる人から見れば短所に見えてしまうのです。行動特性がわかるだけで組織は共通言語ができ、とても風通しが良くなります。
ちなみに、モチベーションアップするには、「親分型」には単刀直入に「凄いね!」と言えば喜びます。「楽天型」には「あなたは素晴らしいね!」と持ち上げても大丈夫。しかしながら「協調型」や「分析型」に同じことを言っても、「なぜ私に凄いねと言うのだろう」「どのように素晴らしいのだろう」と理由を考え、逆に構えてしまいます。しかるに「協調型」は「ありがとう!」の言葉が響きます。「分析型」は、なぜ素晴らしいのか理由を明確に具体的に述べないと納得しません。このような価値観の違いから起こるコミュニケーションギャップを解消することができれば、組織は活性化し業績が向上します。
HRDコンサルティング事業室 杉原 忠