令和型マニュアルのポイントと作成方法(後半)

令和型マニュアルのポイントと作成方法(後半)

今回は、令和型マニュアルのポイントと作成方法についてご紹介します。

令和型マニュアルの3大要素

1つ目は、マニュアルのデジタル化です。

紙媒体だと、やっぱり20代はなかなか見ません。

紙面上での情報のキャッチアップだとか、何かを手紙に書いて自分の考えを発信するという文化は薄れていますので、マニュアルのデジタル化を行ってデータ上で管理できるような環境をいかに整えていくかが非常に重要です。

そして2つ目は、スマホファーストです。

デジタル化したマニュアルをいつでもどこでもインプットできるようにスマホで管理できる環境を整えています。

Z世代の中でもSNS世代という話もありました。

世代別行動特性ページはこちら

スマホ上で何か情報発信、収集が主体となってますのでデジタル化した先にスマホで管理ができるという視点も入れる必要があります。

そして最後の三つ目は、承認欲求を満たすということです。

皆様もご存知の方いらっしゃるかと思いますけれども、
SNSで発信をすると、フォロワーと言われる知り合いの方から「いいね」という評価をもらえる仕組みになっています。

そういった評価を得るためにSNSをやったりだとか、
この評価をもらうために、行動をしていくというような世代になってきてますので、
いかに上司から部下へのフィードバック(褒める)を増やしていくかというところが非常に重要になってきますので、3番目の要素として挙げさせて頂いております。

1.マニュアルのデジタル化

はじめに、マニュアルのデジタル化について詳しくご説明させていただきます。
マニュアル化を行う上での基準というところで、
「マニュアル化できない業務というのはあるのか?」
というご質問をよくいただくんですけれども、
実際ですねマニュアル化できない業務というのは存在しません。

ですが、ですが再現性というところが業務ごとに異なります。

再現性という点では、
マニュアルを見て誰でも同じクオリティの業務を行えるかという視点になるので、
この再現性というところの難易度は業務ごとによってそれぞれ異ります。

ですので、再現性においては、
今あるマニュアルを業務ごとに並べいただき、
これからマニュアル化するのであれば業務ごとにどのくらいの再現性になるのかということをグラフ上で表していただければと思います。

例えば、コピーの取り方マニュアルで言うと、
1回マニュアルを見ればほとんどの方ができるようになるかなと思いますので、
再現性が非常に高いです。

一方で、接客マニュアルになると難易度が上がってきますので、
一回マニュアルを見ただけでは理解できない部分があり、
何回かマニュアルを読むことで再現性が高くなります。

商談マニュアルとかになると、
過去の経験則や職人技みたいなところも出てきますので商談マニュアルを作っても、
なかなか人によっては再現ができないということもあるので、
グラフに表すと再現性が低いという位置になります。

したがって、マニュアル化を進めていく上で重要な点は、
再現性が高いものからマニュアル化を進めていただきたいということです。

マニュアル作成のための4つのステップ
それでは実際にマニュアル化を進めていく上で、4つステップがありますのでご紹介します。

ステップ1:既存の手順書をまとめ時間軸で整理する
マニュアルほどではないが手順書があるのであれば、
その手順書を同じ種類の業務を時間軸で整理をしてマニュアルに近づけていくのがステップ1です。

ステップ2:業務の棚卸し→マニュアル化
まだマニュアル化されていない業務に関して、
業務の棚卸しを行ってマニュアル化していきます。

ステップ3:紙のマニュアルの電子化
紙のマニュアルはあるが電子化が進んでいないという場合には、
行動特性に合わせて紙のマニュアルの電子化を進めていきましょう。

ステップ4:テキストベースのものを写真、動画コンテンツに変換
文字で書かれているマニュアルが多いと思いますので、
写真や動画コンテンツに変換してしていただくのが最後のステップ4になります。
この文字だけで書かれたマニュアルは、
読み手としても読む気にならなかったり、
理解が難しかったりといった部分というのがあります。

なので、そこを分かりやすい写真や動画コンテンツに変換すると、
より業務が具体的に、動き方もリアルな目線で伝えることができますので、
積極的に変換をしていただければと思います。

それではそれぞれのステップをもう少し詳しく説明していきます。

ステップ1:既存の手順書をまとめ時間軸で整理する

マニュアル化はまだまだ進んでないが簡単な手順書があるという場合には、
手順書の中で同じような業務というものがあると思いますので、
その業務を一つのマニュアルにまとめながら、
また違った種類のマニュアルを時系列にまとめていくことができます。

ステップ2:業務の棚卸し→マニュアル化

そもそもマニュアルがないものは、業務の棚卸を行っていく必要がありますが、
業務の棚卸を行う目的は二つありまして、

1つは、マニュアル化で、
2つ目は、業務の効率化です。

なぜ業務の効率化を図れるのかというと、
その業務はそもそも必要か?という取捨選択ができます。
業務を振り返る中で、そもそも必要ない業務だよねというものが出てきます。
本当に必要のない業務であればなくしてしまって、
必要なもののみを進めていくことになります。

そして、その後、その業務を誰がやるべきなのかというところの定義付けを行って、
その人がどこまで行うのか、どこまで任せるのか、というところを決めていただきます。

そして最後にマニュアル化をした上で、
最終的にそのマニュアルはわかりやすいものになっているのか多くの人の視点で見てもらいましょう。

実際に業務の棚卸しの行い方としては、
最初に業務内容を一覧で洗い出します。

それを仕事区分で仕分けを行っていきます。

仕事区分でいうと、どのくらいの頻度で行うものなのかというところを仕分けします。

例えば、
毎日行う業務なのか(日常業務)、
月に1回に行うものなのか(月間業務)、
年に1回行うものなのか(年間業務)、
というところをそれぞれ分けていただくとわかりやすいかと思います。

そして次に、非常に重要なところなんですけれども、
難易度でランク付けを行います。
1〜5でも、CからSでも何でも構いません。

なぜ、難易度のランク付けがなぜ重要かというと、
これを後々評価制度に連動させることができます。

なので、ランク付けを行い難易度の高いものを評価シートの中に組み込むのであれば、
それを達成した時の評価は高くなり、
ランクが低いものであれば、みんなができるような当たり前の業務だよね、
というところで評価が低くなるなど、
最初に業務のランク付けというところを行っていただくと、
後々の評価制度構築に活きてくるかかと思います。

そして、最後にその業務の最終的な確認者を決めます。
その際に、この人は確認する業務が非常に多いなという風になったら、
じゃあ別のこの人に任せてみようかなど、
確認者の再割り振りも併せて進めていただければと思います。

ステップ3:紙のマニュアルの電子化

紙のマニュアルを電子化するところの手順をご説明させていただきます。

今回は、googleが提供する
googleドライブというツールをご紹介させていただきます。

まず、googleを登録し、ログインした後に、
google内のドライブというものを展開していただければと思います。

そこをクリックいただくと、
マイドライブから共有アイテムというところを開いてください。

そして、格納したい名前のフォルダを作成し、
そこに該当するマニュアルを格納(アップロード)します。

全社員向けに共有設定をしたら、
全社員がデジタル上でマニュアルを確認できる状態になります。

紙のマニュアルはあるけど、電子化が進められていないという方は、
Googleドライブ等を活用して頂いて、クラウド化を進めていただければと思います。

今回googleドライブをご紹介させて頂いていましたが、
他にも、dropbox business、onedrive for business、box 等々ありますので、
皆様の企業との相性が良いサービスを選びながら、
進めていただければという風に思います。

ステップ4:テキストベースのものを写真、動画コンテンツに変換

テキストベースのものを写真、動画コンテンツに変換をしていきます。
文字だけだと分かりづらいという点や読む意欲が上がらない場合がありますので、
やはり動画コンテンツや写真に変換をしていく方が閲覧回数なども増えますし、
動画コンテンツだと自動的に情報が入ってきますので理解度が上がります。

ただし、動画マニュアルだけではなく、OJTが必要なものもあります。

どうしても動画だけではなくて現場育成でしか教えきれないものは、
マニュアルはより洗練させるとともにOJTで補完していく必要があります。

そして、意外と見逃しがちなのですが、
個人で覚えなければいけないものもあります。

例えば道具の名前とか、
自分で学ぶ時間がないとなかなか覚えきれないところもありますので、
個別テストを実施しながら日々の理解度の進捗を見て、
フィードバックをしながら進めていくという風になります。

個別テストに関してはGoogleフォームという、
Googleが提供する質問フォームはテスト形式のものを作れるツールになっております。

例えば経営理念の浸透具合を見たいのであれば、
誰でもこのgoogleフォームで簡単に作成が可能ですので、
今の経営理念に関する問題を作成し、
全社に対してGoogleフォームのURLを発行します。

社員が回答したすると、自動的にスプレッドシートというエクセルのようなものに、
誰がいつ、どういう回答したのかを一覧化することができます。

それを見ながら、全体の進捗やどの人がどれくらいの点数なのかなど、
日々管理を行えるようになりますので、ぜひご活用ください。

2.スマホファースト

続いては、スマホファーストについてご説明します。
そもそもなぜスマホファーストか、という話をしますと、
20代の行動特性を押さえることが非常に重要だからです。

20代の行動特性で言いますと、紙のマニュアルはほとんど見ないので、
いかにスマホでマニュアルを見られるようにすることで閲覧ハードルを低くするというところが非常に重要になってきます。

紙のマニュアルからスマホでの情報のキャッチアップに切り替えていただいて、
いつでも、どこでも何度でも、自分でマニュアルを閲覧できる環境に整えていくとことが重要です。

先程、クラウド化したマニュアルをスマホで見られるようにするツールのご紹介させていただきましたけれども、
同様にこちらもスマホで見られるようにするためにはgoogleドライブのマイドライブ→共有ドライブ、
そして指定フォルダの中に該当するマニュアルを格納確認してください。

そしてスマホで見られるようにするためには、
社内ホームページに集約していただければと思います。

社内ホームページという言葉を初めて聞く方もいらっしゃると思いますが、
別名イントラサイトという風に言われておりまして、
こちらは社内向けの情報活用や共有を行うためのウェブサイトと言われています。

なぜ社内ホームページにこういったマニュアルを確認していくのが良いのかというと、
社内ホームページの中には自分で色々なページを作れます。

公共のホームページと構成は全く同じでして、
ページがいろいろ自分で作成でき、
その中のカテゴリーの中にある情報を好きなだけ自分で編集ができます。

マニュアルだけではなく、関連する情報や追記しておきたい事項などもテキストとして組み込むことができます。

また、YouTubeなどのURLも掲載することができます。

例えばビジネスマナーというようなページを新しく作ったら、
例えば電話のとり方、挨拶の仕方、名刺の受け渡し方のようなビジネスマナーに関連するマニュアルが既に自社にあればGoogleドライブに格納すればよいのですが、
なかった場合、例えば他社さんが作られたYouTubeで良いものがあれば、
そのYouTubeのURLを直接社内のイントラサイトに貼り付けると、
いつでもその動画をイントラサイトから見ることができます。

つまり、イントラサイトに情報を集約すれば、
スマホから、いつでも、どこでも、どんな情報もここのホームページを見れば何でも情報がわかる、社内ことはどんな業務もわかるという風になりますので、
ぜひこの企業ホームページを活用していただければと思います。

それでは、実際にこのイントラサイト(社内ホームページ)の作成ツールをご紹介させて頂ければなと思います。

こちらもgoogle内のサービスで、googleサイトというものを利用します。

このgoogle内の「サイト」をクリックしていただくと、イントラサイトの雛形があります。

ポータルサイトというものを選択してください。

すでに完成されてるようなポータルサイトの雛形が立ち上がります。

そして、挿入したいファイルはドライブから該当するマニュアルを選択いただくと自動的にこのサイト内に選択ファイルが表示されます。

そしてこのサイトは、スマホでも閲覧が可能ということになります。

編集はweb上で行います。

スマホですぐに見れるようにレイアウトも自動的に調整がされますので、
スマホで編集した後に更新ボタンを押すだけで大丈夫です。

後は先ほど申し上げた通り、研修に関連するようなYouTubeの動画や、
URLを貼り付けるとサイトの中で映像が見ることができます。

あとは過去を行った社内の研修動画がもしあれば、
そのような動画も簡単に格納できますので、
このように1つの社内ホームページに集約をすることで、
これを見れば業務の大体の流れがわかったりだとか、
最近のトレンドの動画が勧めている情報も集約してキャッチアップできたりと言ったところが大きなメリットかと思います。

なお、先程もご紹介したGoogleフォーム、スプレッドシート、ドキュメントなどはスマホでも回答することができます。

そして同じgoogleですので、
互換性が非常に良いためGoogleサイトと合わせて活用頂くといろんな機能に応じて、
色々な応用がききますのでぜひご活用いただければと思います。

3.承認欲求を満たす

そして、三つ目の承認欲求(いいね)を満たすというところのご説明をさせていただきます。
まず、日報の活用をお勧めしています。

日々の業務内容だとか感想を全社に共有頂いて、
それに対して上司がフィードバックすることはお勧めしたいと思います。

最近リモート化が進む中で、なかなか部下としても上司に対して業務内容を報告したりとか、
今日の気づきみたいなところを上司に共有したりする場というのはかなり少なくなってるかなと思います。

上司としても部下がどういうふうに働いてるかっていうところがなかなかキャッチアップできなかったり、
やはり承認欲求というところは部下としてはなかなか自分からは褒めてくださいとは言いづらいですけれども、
承認欲求を満たして欲しいという願望というのはありますので、
日報通して上司から褒めてあげたりだとか、
フィードバックをしてあげてください。

特に新卒一年目や二年目の方に対しては日報の提出をできるだけルール化していただいて、
日報に対してフィードバックを上司がしていただくのが良いかと思います。

日報活用のメリットで言いますと、
若手社員としてのメリットと上司としてのメリット、二つに分けられます。

若手社員としては、20代の行動特性として承認欲求満たすというところがありますので、
評価の場が非常に増えていくということがあります。
そして、リアルのコミュニケーションが苦手で、
本音では思っていることがリアルの場だとなかなか言いにくいというところが、
20代の中ではかなりあります。

ですので、直接言いづらいということも日報を通して、
デジタル上で伝えていくというところが若手社員としてもメリットでしょう。

一方で、上司としてのメリットももちろんあります。

若手社員がそもそもどのようなことに興味を持っているのかところが早急にわかるというところが非常にメリットかなと思います。

逆に、最近悩んでいるという事もやはり、
デジタルコミュニケーションが得意な世代からは素直な意見っていうところが日報を通してであればキャッチアップできますので、
急な離職者とかですね、そういったところのケースがあると思うんですけれども、
日報がアラート機能になり、早いうちから相談に乗ることで、
その不安を解消してあげられる環境も作ることができます。

そして、最後に、他部署や他店舗の部下が何をやっているのか、
分からなかったりしますので、そういったところの業務も把握できるというところもメリットもあります。

令和型教育マニュアルの活用メリット

令和型教育マニュアルを活用することで、
自律的に学ぶ社員が徐々に増えていくところが最大のメリットかと思います。
管理職の方が、
「何で何回も同じこと教えなきゃいけないんだろう」って、
かなり悩んでらっしゃる方も多いかと思います。

そこで何をしなければいけないかというと、
いつでも、どこでも、何度でも学べる教育マニュアルを整備していくということが非常に重要です。

我々としては、最大の育成というのは自分から主体的に学ぶ環境を整えるというところが非常に重要だと定義付けておりますので、
やはり行動特性を踏まえた上でのマニュアルを作っていくことで、
自立型社員を増やしていくことが非常に大事だと思っております。

ぜひポイント押さえて
令和型の教育マニュアルを作成してみてください!