弁護士の採用は合同説明会から法科大学院へのアプローチへ

弁護士の採用は合同説明会から法科大学院へのアプローチへ

こんにちは。弁護士と法律事務所スタッフの採用を専門で行っております川上です。法律事務所の業績アップコンサルティングを経験し、その後採用コンサルティングを専門で行っております。

法律事務所は他の業界と同じようにマーケティングに成功し、多くのご依頼をいただけるようになった結果、所内が人不足の状態に陥ります。そして、更に業績を上げるためには、弁護士やスタッフの採用が必要になります。そしてもし、そこがうまくいかない場合は、業績が伸び悩むということを多く見かけます。

特に法律事務所に関しては、弁護士しか出来ない業務範囲があり、弁護士の数がボトルネックになることがあります。そのため、今回は弁護士の採用についてご紹介します。

買い手市場から売り手市場へ

はじめに法曹業界について少しご紹介します。
弁護士の場合は司法制度改革によりこれまで多くても毎年1000名ほどだった司法試験の合格者が、2007年以降、毎年約2000名の方が合格しています。このような状況から弁護士業界は買い手市場かと思っている方は多いです。しかし、実際には企業内弁護士の需要増加や、裁判官や検事も採用数を増やしているため、むしろ採用活動を行っている法律事務所はなかなか弁護士を採用できないと困っております。
 採用活動においては1人でも多く事務所へ応募してくれる母集団を増やすことが重要になります。そのため弁護士採用でも多くの候補者に出会う機会が必要なため、合同就職説明会すつことがこれまでのやり方でした。
 しかし、ここ数年では合同説明会への参加者が減っています。それは、合同説明会が各地で開催される前に内定を出す大手法律事務所や企業が増えていることが原因です。そのような状況から、合同就職説明会だけでなく事務所で応募者を集め事務所説明会を開催する必要があります。

合同説明会に頼らず、多くの候補者の方と接点をもつ方法は多くの母集団形成ルートを持つことです。弁護士採用を行う際の母集団形成ルートは下記があります。

①ひまわり求職求人ナビ
②有料広告媒体
③法科大学院への求人票
④紹介
⑤採用ホームページ(SEO)

弁護士の採用の場合これまでは、弁護士会の「ひまわり求職求人ナビ」に求人を掲載することである程度応募が集まっていました。しかし、現在では多くの法律事務所が求人を出しているため、埋もれてしまい応募が集まらないという声を聞きます。
そのような状況で最近成果がでているのが、法科大学院へのアプローチです。これは求人票を作成して合格者の多い法科大学院に掲示してもらいます。

私が関東と関西地方で司法試験の合格者数が二桁以上いるところに確認したところ、ほとんどの法科大学院にて求人票を受け付けており、学内または専用のホームページに求人票を掲載していただけます。

司法試験は法科大学院を卒業後の5月に開催されます。多くの法律事務所の採用活動はその司法試験後から活発に行われます。そうすると求人票を送付しても、司法試験受験者が学内にいないため意味がないのでは思われる方もいるかもしれません。

しかし、実際は多くの司法試験受験者が卒業後でも学内で勉強やアルバイトで残っています。また、最近では求人情報をホームページで公開したり、メールで卒業生にも配信している法科大学院が増えています。
そのため、卒業生に対しての求人票でも閲覧していただける機会が多くあります。

関東地方のある事務所で事務所説明会を実施した際には、合計で20名の参加がありました。
関東地方の法律事務所が都内の事務所説明会を開催した際は、10名程度があつまれば良いほうです。その事務所の応募者が増えた要因は、参加者のうち半数は法科大学院の求人票を見て参加された方でした。