【2023年最新版】採用方法徹底解説!定番から最新のダイレクトリクルーティングのポイントまで解説
採用活動において優秀な人材を集めるためには、採用戦略をしっかりと練ることが重要です。しかし、採用戦略といっても具体的には何をしたら良いのかよくわからないという会社も多くいます。そのような人に向けて、ここでは採用戦略とは何かをはじめ、採用戦略立案の流れやポイント、役に立つフレームワークなどを紹介していきます。
目次
1.採用戦略とは
採用戦略とは、企業が求める優秀な人材を確保するために立てる採用活動の作戦のことです。
優秀な人材を採用するためには、ただ採用活動をすれば良いというものではありません。しっかりと戦略を練らずに採用活動をしても、企業にとってプラスとなる人材を確保できるとは限らないのです。近年有効な採用戦略を立てるためには、マーケティングの発想を元に採用戦略を考えるのが主流になっています。その採用マーケティングの精度が企業の将来を担う人材を確保できるかどうかを左右します。特に、現代の採用市場では人材不足が問題となっているため、そのようななかで良い人材を集めるためにも、効果的な採用戦略の立案が必要とされているのです。
採用活動が成功するのは、企業ブランドや事業内容だけが関係しているのではありません。いかに効果的な採用戦略を練っているかどうかが大きく関係しています。なお、採用活動はもはや人事部だけの仕事ではなく、会社全体で一丸となって行うことが大切と言えるでしょう。このように、採用活動を企業にとっての重要なテーマとして取り上げ、採用戦略を立てることで、経営トップまで巻き込んだ採用活動を行うことができ、優秀な人材の採用に成功する可能性も高くなるのです。
2.採用戦略立案の流れ
採用戦略の立案には主にターゲット設定、採用計画策定、求人手法選定、フォロー体制確立の4つの手順を踏むことになります。ここからは、それぞれの手順について具体的に解説していきます。
2-1.手順1:ターゲット設定
採用戦略では、短期的な視点ではなく、長期的な視点を持って人物像を定めていくことが重要になります。採用活動を行うときは、ついついその時点での問題に着目してしまい、それを解決できそうなスキルを持っている人を選びがちです。しかし、現時点での問題解決だけに焦点を当てるのではなく、これからの経営目標や戦略を考えたうえで、それらを実現するために必要なスキルは何なのかを考えることが大切になります。今後の企業の成長には、どのようなスキルを持っている人物が良いのかを考えることで、採用すべきターゲットが定まっていくでしょう。
さらに、どのようなスキルを持っている人材が良いかを漠然と考えるだけでなく、具体的な人物像についてもイメージを膨らませていくと良いです。性別や年齢、どのような思考をするのかなど、細かなところまで考え、ペルソナ設計をしていきます。どのような人物が必要なのかについて、具体的な条件をすべての社員が共通認識として持つのがおすすめです。共通する行動特性を分析することで、ペルソナのイメージが湧きやすくなるでしょう。どのような人材が欲しいかが定まってくると、新卒採用か中途採用なのか、どちらに力を入れて採用活動をすれば良いのかが見えてくるかもしれません。
2-2.手順2:採用計画策定
ターゲットとなる人物像を設定したら、採用目標人数や採用担当者、採用スケジュールなどの具体的な採用計画を定めていきます。採用目標人数を決めるときには、短期的な戦略で採用活動を行うのか、それとも中長期的な戦略で採用活動を行うのかによって、行動が異なるでしょう。短期的な戦略として中途採用に力を入れるのであれば、各部署に必要人数をヒアリングするだけで構いません。しかし、中長期的な戦略として新卒採用と中途採用を合わせて行う場合は、各部署へのヒアリングを通して必要となる人員数を見極めるだけでなく、近いうちに定年退職する人数や人件費の予算なども確認することが大切です。
新しいプロジェクトや売り上げ目標を達成するために人材を増やすのは問題ありませんが、やみくもに採用すれば良いということではありません。人件費の予算も考えつつ、慎重に新卒採用と中途採用の人数を考えていきます。特に、新卒採用は長期戦になるので、経営状況によっては、途中で採用目標の人数が変わる可能性もあります。その際には、企業の状況と学生の状況を考えながら調整をしていくことが求められるので慎重に対応していきましょう。
採用するまでには、書類選考から始まり、面接を複数回行う企業が多くあるので時間がかかります。求職者は、複数の企業を同時に受けている場合もあるので、なるべく早く採用までのスケジュールを知らせたほうが親切な印象を与えられるでしょう。このような採用計画は、採用活動を行うための軸となるので、具体的にしっかりと決めることが大切です。”
2-3.手順3:求人手法選定
求人手法と一口に言っても、企業のホームページやパンフレットで募集を行うだけでなく、複数の企業が集まる合同セミナーやインターンシップなど、さまざまな方法が活用できます。どのような求人手法を選ぶと自社が求める人材が多く集まるのかを考えて、効果的なものを選ばなくてはいけません。数が多く集まれば良いというのではなく、質の良い人材を集めるための方法を考えましょう。また、求人手法の検討だけでなく、面接を行う面接官の育成も重要です。
面接官は就職活動を行っている人たちにとって、その企業のイメージとなります。企業のホームページや説明会などで社内の雰囲気を説明しても、面接試験のときの面接官の印象で、企業に対して好印象を持ってもらえるか否かが変わってしまうのです。そのため、面接官は、企業理念をよく理解し、最低限のマナーを身につけておくなどの必要があるでしょう。また、面接官を育成することは人の能力を正確に見極められる人材が社内に増えることにもつながります。結果的にマネジメントの質も向上するので一石二鳥と言えるのです。
2-4.手順4:フォロー体制確立
企業が成長するために必要な人材を確保しても、内定辞退や早期離職をする人もいます。せっかく採用しても、そのような人が多くなれば企業にも悪影響となるでしょう。そのような事態を防ぐためにも、内定・入社後のフォロー体制を事前に確立しておくことが重要です。たとえば、内定者懇親会やビジネスマナー研修、社員との交流の場を設けるなどの対策がおすすめになります。新入社員同士や、既存の社員との交流をすることで、その企業に入るイメージも湧きやすくなるのです。このような機会を設けることで内定者の不安を取り除くことができるでしょう。
まだその会社のことをよく知らない内定者は、職場の人間関係や仕事内容に不安を抱いている可能性も高いです。懇談会や研修で入社前に自社についてオープンにし、丁寧なフォローをすることで入社後の生活への期待が高まるという効果も得られるかもしれません。また、会社に入ってみたらイメージと違ったという理由で辞めてしまう人も多くいます。せっかく入社したのに、そのような理由で社員が離れてしまうのはもったいないことです。
そうならないためにも、新卒入社だけでなく中途入社の社員双方方の受け入れ態勢を整えておくことが大切になります。入社後も定期的に困ったことがないか聞いたり、企業の慣習を教えたりするなど、積極的な関わりをしていく必要があるのです。”
3.採用戦略を実行するときのポイント
ここからは採用戦略を実行するときに気を付けたい重要なポイントとして、人事戦略との一貫性を意識することとPDCAサイクルを回すことの2つを紹介します。
3-1.人事戦略との一貫性を意識する
人材は採用したら終わりではありません。採用がスタートであり、入社してからゆっくりと企業の戦力となる人材に成長するように育てていくことが重要です。新卒の採用を積極的に行いたいのであれば、入社後の育成にも力を注ぐことができるかどうかを事前に考えましょう。新卒を多く採用しても育成に力を注ぐことができないのであれば、優秀な社員は育ちにくく、会社の戦力となるような人物もいなくなってしまうかもしれません。はじめから「育成にコストはかけない」という方針があるのであれば、新卒ではなく、即戦力となるような中途社員の獲得に力を入れるべきです。
中途社員であれば、一から育成することなく仕事を任せることもできるでしょう。やみくもに新卒採用ばかりをするのではなく、入社後の人材戦略と一貫性を持った採用戦略をとる必要があります。
3-2.PDCAサイクルを回す
採用戦略を立てて採用活動を行うのであれば、その戦略が正しかったかどうかなど、効果を検証していかなくてはいけません。年度ごとに採用活動が終わったらフィードバックを行い、次の年度の採用戦略に生かすことが大切です。採用戦略におけるどの手順に問題があったのかを明確にし、次年度は同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。このような作業に役立つのが「PDCAサイクル」です。Pは「プラン(Plan)」、Dは「実行(Do)」、Cは「検証(Check)」、Aは「改善(Action)」を指しています。
PDCAサイクルを回すことで、より良い戦略を練ることができるのです。1度だけ行うのは、あまり効果的ではありません。常にこのサイクルを回し、問題を発見したり改善ポイントを探ったりしていくのが効果的です。PDCAサイクルはどの業界でも活用することができますが、特に技術や人材などの状況が変わりやすいIT業界においては、より効果をもたらすといわれています。より良い採用活動を行うためにも、PDCAサイクルを回しながら採用活動の精度を高めていきましょう。
4.採用戦略立案で重要な「採用マーケティング」とは
採用マーケティングとは、採用活動にマーケティングの知識を活用するという考え方のことです。価値観の多様化や人材不足などの影響もあり、従来の採用活動では優秀な人物を取り入れるのが難しくなってきたことで、このような手法が台頭してきました。採用戦略にマーケティングのフレームワークを取り入れることで、どのような求職者を取り入れるべきかがわかるので、人材の確保にも生かせるでしょう。この採用戦略の方法は世界的にも注目されています。
5.採用戦略立案に役立つフレームワーク
ここからは、採用戦略立案に役立つマーケティングのフレームワークとして、3C分析や
SWOT分析について、それぞれどのようなものなのか紹介していきます。
5-1.3C分析
3C分析の「3C」は「Customer(顧客)」「Competitor(競合他社)」「Company(自社)」の3つを表しています。これらの3つの観点から、自社の置かれている環境を分析していくのです。採用戦略を立案する際は、顧客のことを求職者と捉えて、求職者のニーズや価値観などの志向と、競合他社の特徴を分析します。そのうえで、自社の積極的にアピールしていける強みを割り出していくことがポイントです。このような分析を行い、自社の強みを見つけ出して行くことで、他社にはないアピールポイントを押し出すことができるでしょう。
5-2.SWOT分析
SWOT分析は「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4点から、自社の強み・弱みと環境要因を分析する手法のことです。自社の強みや弱みは何なのか、市場の機会を生かすためにはどうすれば良いのか、また排除しなくてはいけない脅威は何なのかを見つけることで、スムーズな採用戦略立案を考えることができます。このようなSWOT分析は、3C分析と併せて活用するとより効果的で、自社の活かすべき強みと克服すべき弱みをより正確に可視化することが可能です。
6.採用戦略で取り入れたい便利なサービス
採用戦略を効果的に生かすためにも、取り入れるべき便利なサービスがあります。人材不足がささやかれていますが、このようなサービスを取り入れることで、より良い人材を確保できるかもしれません。ここでは2つのサービスを紹介していきます。
6-1.採用代行サービス
採用代行サービスとは、採用に関する業務の一部あるいは全体を代行会社に委ねられるものです。採用代行サービスでは、採用活動を採用事情に精通したプロに任せることができます。プロに任せることで、業務担当者の負担が軽減するというメリットがあるのです。しかし、外部に依頼することで費用がかかってしまったり、採用ノウハウの蓄積ができなくなったりするというデメリットもあります。特に、採用ノウハウが自社に蓄積されないということは、自力で優秀な人材を確保できるシステムを構築できないまま、サービスに頼りきりになってしまう可能性もあります。
6-2.AI採用サービス
AI採用サービスでは、人工知能であるAIの技術を活かし、効率的に採用活動を進められるのがポイントです。AIに選考を任せることで、書類選考に費やす時間を節約できるだけでなく、一貫した判断基準によって公平に選考ができます。しかし、最終的なチェックは人間が行わなくてはいけないので、二度手間になってしまう点や、このようなサービスを活用するために事前に過去のデータをAIに学習させなくてはいけない点がデメリットです。学習させるデータも大量なので、手間がかかってしまうでしょう。
優秀な人材獲得のために具体的な採用戦略を立てよう
人材不足の影響もあり、採用市場では困難な状況が続いていますが、しっかりと採用戦略を立てて実行していけば、自社の求める人材を獲得できる可能性は十分あります。また、採用スケジュールや採用手法だけではなく、内定後のフォロー体制についても事前にしっかり整えておくことが大切です。採用活動における便利なサービスもあるので、活用してみるのも良いでしょう。