社員が辞めない仕組み作りこそが業績アップのポイント

社員が辞めない仕組み作りこそが業績アップのポイント

士業支援部 稲冨 彰宏

顧客離脱防止への取組みをされている経営者は多いと思いますが、「社員の離脱防止」に取り組まれている経営者はどれくらいいらっしゃるでしょうか?人口減、マーケット減、働き手減の時代である今、【採用→定着→育成】の人材マネジメントプロセスにおいて「定着=社員の離脱防止」への取り組みこそが業績アップの要です。これからの時代生き残る組織の取組みについて、税理士業界の事例を通じてお伝えいたします。

人事評価制度で人材の定着を行う
栃木県足利市の会計事務所では、業界の常識であるインセンティブ制度から人事評価制度に切り替え、人材の定着そして業績アップに成功しています。この社長が取り組んだことはシンプルで、会社の方針をそのまま評価制度に落とし込み、社長が考える会社の方向性が明確にし、その目標に向かって社員が働ける仕組みが構築しました。結果として社員の働き方は格段に変わり離職率も0%になりました。

名ばかり管理職から部下の育成ができる管理職へ
肩書きは部長ですが、実態は一般社員と変わらないということは非常に多いことです。そこで、人事権を管理職に委譲することで、管理職の育成に成功しました。
人事評価制度の仕組みとして、社長だけが評価するのではなく「直属の上司」である管理職が部下を評価し、フィードバックをする仕組みを作ったことです。評価をするというプレッシャーで、部下を観察し、指導・育成するという強制力が働くため「部下を観察する力」「適正に判断する力」「部下に目標を設定させる力」の3つのマネジメント力が付いたのです。

代表自らが先頭に立ち仕組みを形骸化させない
一度作った仕組みは、そのままにしておくと形骸化して使えないものになります。社長は、人事評価のセミナーなどに積極的に参加し、年度ごとに制度の改定を行い、その年の会社方針に沿って制度を見直しています。仕組みを形骸化させないよう、トップ自ら取り組む姿勢が重要になってきます

業績アップをし続ける組織は「社員の離脱防止」の3つのポイントを抑えることが重要になります。