評価制度作成で失敗したくない!何度も作り替えてきた!企業様へ
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なぜ? うまくいかない評価制度!!
こんにちは! 船井総合研究所の斉藤美幸です。
最近、「評価制度がうまくまわせないので何とかならないか?」「評価制度に対する不満が多く組織が活性化しない」「社員が育たない」といったご相談をこのところ、立て続けに受けています。「助成金受給を受けられるから、ちょっと作っておこう」と知り合いの中小企業診断士に依頼なさったケースや、数千万を支払って大手コンサルティング会社に依頼したものなど、その背景は様々です。
失敗した方の多くは「作るよりも使う方が大変!」とおっしゃいます。
その通りで、制度は「作る」よりも「運用」する方が、骨が折れるのです。以前は、制度作成と運用サポートのご提案をすると「とりあえず作ってもらえれば、社内であとは何とかします」とおっしゃる方が8割がたでした。が、今は「作るだけでいいです」という方は皆無に近くなりました。初めて作成する方々さえも「評価制度は運用が難しいらしい!」ということを理解していただいている・・・つまり、うまくいかない方々の「作ったけど、うまく使えない」の声を数多く聞いていらっしゃるのです。
評価制度作成・見直しは「使うルールを最初に決める!」 注力すべきは、「制度作り」ではなく「使える環境整備」
これから、評価制度を作る方も、何度も失敗した方も、ここは、しっかりお読みください。
制度を導入しうまくいかないと「項目が評価しにくいから」「結果に信憑性がない評価項目だから」といった、その原因を項目やルールのせいと考えてしまいがちではないでしょうか? 確かにそれもありますが、実は、運用環境≒使い方に起因することが多いのです。
最近、新しい取り組みをはじめました。
通常の評価制度構築は、終盤戦で、多くの場合は評価項目や点数化ルール、処遇への反映ルール作りが終えられたところで、使い方(運用ルール)を作っていくのですが、先に運用ルールを作ってしまおうというものです。
●これまで
・キャリアプラン ・役職制度 ・賃金テーブル ・評価項目 ・点数化ルール ・処遇反映ルール ・運用ルール
●これからは必要に応じて・・・
・キャリアプラン ・役職制度 ・運用ルール ・評価項目 ・点数化ルール ・賃金テーブル ・処遇反映ルール
というフローにしていこうということです。
ここのところ、成功している企業・法人とそうでないところとの違いをルール化すると、
・一つひとつの手順(本人・一次・二次評価)が単なるパーツになっており分断されている
・査定だけをして、結果を活用していない
特に、考課者である上司への「評価の重要性」や「評価者としてのスキル習得」、評価全体のありよう等の教育がなされていないことがよく見受けられます。
管理職の評価スキルを上げる! ご存知ですか?「絶対評価と相対評価」
例えば、「絶対評価」と「相対評価」。一度は耳にされたこともあり、違いもご存知の方も多いはずです。
絶対評価は、一定の基準のもとに行動を評価します。理論上、部下の全員があてはまる行動をとっていれば「5」ランクや「1」ランクを全員がとることもあり得ます。 対して相対評価は、集団の中で構成比を決めます。「5」ランクは上位10%、「4」ランクは20%と、各々のランクの人数が決められています。
私は、一次評価では「絶対評価」を用い、二次評価以降では「相対評価」を使っていただくことが多いです。人数も少なく職位がバラバラの部下を持つ課長クラスに、相対評価をお願いするには無理があるため、一次評価は絶対評価を用います。部長クラス以上が行う二次評価以降となりますと、人数もまとまってくるため相対評価で実施していただきます。
すると、一次評価と二次評価、最終評価の結果には差異が出てくることがあります。一次評価(絶対評価)では、優秀ランクの「A」ランクだった人も、全社で相対化したときには、もしかすると最高ランクの「S」ランクになるかもしれないですし、「B」ランクになるかもしれません。
これらの理屈が判っていないと管理職(一次評価者)から「僕は●●さんにSをつけたのに、部長と社長がBにしたんだよね」と会社や上司への不信感を抱かせるような発言が生まれてしまうのです。そもそも論でいえば、それ以前に「会社から部下への評価=最終評価結果」に納得がいかない場合には、「納得するための時間や機会」を運用ルールで決めておかなければならないのです。
運用ルールとそのサポートこそが、教育制度!
ともすると、制度構築の最終段階で、おまけのように決められてしまう運用を真っ先に決め、不足している教育や手順を整えてしまおう ということです。
また、管理職の「評価スキル」向上も重要です。5.4.3.2.1はつけれれるけれども、コメントを書くのに時間がかかる。という声もよく聞きます。部下への愛情や育成意欲の高い人ほど、時間をかけてしまいがちなのです。10人も部下がいて、おひとりに30分も時間をかけていると、だんだん評価が辛くなってくることも。
実は、コメントにはコツがあります。
記入する手順を決めてしまうのです。
・全体への総評
・頑張ったことへの承認と強化してほしいこと
・ウィークポイントと向上のための行動
・ねぎらい
と自分なりの「起承転結」を決めるのです。
こういった、教育をしながら、現場が使いやすい運用ルールを決めていくというものです。
お読みの経営者のみなさま、幹部のみなさま、「うちの管理職もしっかりできそうだ」と次の評価の時期が待ち遠しくなってきていませんか?
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