賞与の見直しでできるキャッシュフロー改善!
ウィズコロナで経営状況に合わせた賞与の見直し
今回は「賞与の見直しポイント」について紹介させていただきます。
前回までのコラムはこちらからご確認ください。
1回目:「人事業務の役割見直し」についてのコラムはこちら
2回目:「今こそ考える月給の適正化」についてのコラムはこちら
コロナ感染拡大の影響で人件費の見直しを検討している会社様向けに今回は「賞与」の支給についてお話しします。
「今期の賞与金額を減らすことはできるのか?」
「減らすときには何をしておけばよいのか?」
「いくらぐらいまで下げるのが妥当か?」
このようなお問合せを受けることも増えています。
しかし、
「今まで当たり前のようにこの金額を賞与として支給してきた」
「賞与の支給ルールを定めておらず、どのように賞与を見直せば良いのか分からない」
という会社様も多いのではないでしょうか?
そこで、賞与の本質や適正化・見直し方法について、3つのポイントで解説させていただきます。
①社員の賞与に対する認識を適正化
②賞与のルールを明確化
③いつでもできる賞与支給方法の工夫
この3つのポイントで解説させていただきます。
①社員の賞与に対する認識を適正化
本来、賞与とは
「利益を社員に還元するための報酬」「月給とは別に還元する仕組み」です。
しかし、日本の企業で働く社員の多くは
「賞与が支給されるのは当たり前」「支給されるかどうかではなく何カ月分支給されるかが重要」と認識しています。
本来は賞与を支給できているうちから、“賞与の本来の意味”を社員に伝えて認識させる必要があります。
また、賞与について考えるうえで忘れてはならないのが
「人件費」と「賞与原資」の考え方です。
責任を持って社員に正しく“教育”していかないと不満や不信感だけが増えてしまいます。
②賞与ルールの明確化
多くの企業が「夏と冬の年2回」「それぞれ〇カ月分支給」といったルールを定めています。
しかし、それだけだと“賞与の本来の意味”である利益還元が反映されるルールになっていません。
①でお伝えした正しい認識の教育だけでは社員の納得は得られません。
連動したルールを明確にすることが重要です。
ルールを作成するうえで重要になるのは
1. 業績(利益)の成果を反映できるようにする
2. どの期間(対象期間)に対して支給されるのか明確にする
3. 賞与原資以内で支給額が収まるようにする
の3点です。
③いつでもできる賞与支給方法の工夫
最後の1つはちょっとしたポイントのご紹介になりますが、賞与支給時の工夫についてです。
賞与を支給する際には、明細で項目を分けることが可能です。
例えば、夏の賞与で25万円支給されたAさんがいたとします。
Aさんの明細では、賞与20万円、特別賞与5万円と記載されていました。
この会社では、会社全体の業績に応じて賞与を決めて、部門の業績に応じて特別賞与を決めています。
特別賞与はあくまでも会社全体の業績以上の功績を残さないと支給されません。
このようなケースの場合、例えば冬の賞与では特別賞与5万円が0円になったとしても
「賞与が下がった」という認識ではなく
「今回は特別賞与が出なかった」という認識になります。
①②でお伝えした内容を踏まえて、賞与支給の明細で項目を分けることも重要です。