【完全保存版】人事評価制度の基本

評価・賃金制度

①人事評価制度の目的と構成要素を理解する

人事評価制度には様々な効果が期待できます。
例えば、人財育成や社員がモチベーションを高めることのできる給与システムの構築などが挙げられます。

【人財育成】
人財育成では、実績アップに直結する評価項目を構築し、社員に評価を実施してもらうことで、社員がまだクリアできていないポイント（＝今後伸ばしていけるポイント）を明らかにすることが可能です。
評価制度とは、会社が成長するための指標を明示している状態です。運用を長期にわたって続けていくと、社員が評価制度に沿って次の目標や目標を達成するためのプランを自主的に考えるようになります。

【社員がモチベーションを高めることのできる給与システムの構築】
給与は、会社が社員の成長や努力を認めていることを、社員へ伝える強力な手段です。
いくら社長が社員を評価していても、社長の胸のうちで留まってしまっていては、社員には伝わらず、モチベーションダウンに繋がりかねません。
会社が求める社員の頑張りを正当に、公平に評価し、昇給や賞与の支給額決定に反映していくことで、社員は自分の努力が評価された実感を得ることができ、モチベーションアップに繋がります。

上記は人事評価制度の効果の一例です。
なぜ人事評価制度を導入するのか、人事評価制度を導入することでどのような変化を期待するのかを考え、自社の目的を考えることが重要となります。

人事評価制度の目的を明確にするためには、人事評価制度がどのような要素で構成されているのかを知る必要があります。

人事評価制度は、「評価制度」「役職・等級制度」「給与制度」の3つの制度から構成されています。
　評価制度：どうしたら評価されるのかを示した制度
　役職・等級制度：どうしたらキャリアアップできるのかを示した制度
　給与制度：どうしたら給与アップするのかを示した制度

人事評価制度は、これらの3つの要素が相互に作用し、連携することで価値を発揮する制度となります。
そのため、「評価制度で毎年定期的に社員の努力や能力を評価し、評価結果に応じてキャリアアップを行い、評価結果アップやキャリアアップに応じて給与額を変更する」という一連の流れが必要となります。

人事評価制度を構成している3つの制度、そしてそれらの制度の関係性を意識して、自社が人事評価制度を導入する目的を検討することが求められるのです。

②人事評価制度の基本的な構築フローに沿って、一つ一つ検討していく

人事評価制度構築の基本フローは以下の通りです。

①全体方針決定　⇒　②役職・等級設計　⇒　③評価項目構築　⇒　④仮評価・修正　⇒　⑤給与設計　⇒　⑥評価運用体制構築　⇒　⑦評価者育成

もちろん、フローを省略したり（自社の制度には採り入れない）、流れを入れ替えたり（すでにある制度を適用するため）、他にも検討したい項目があったり、と流れが変更することもあるかと思います。

まずは、検討すべき項目を検討し、どの順序で作り上げていくのかをスケジュールすることが大切です。
人事評価制度の完成目標はいつなのか、それぞれの項目でどの程度時間がかかるのかを見越してスケジュールを設計しましょう。

完成までの期限を短くしてしまうと、期日に追われて納得するまで話し合えなかった・考え切れなかったことになる可能性もあります。
余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。

制度構築では、制度を設計するだけではなく、どのように運用していくのかまで考える必要があります。
運用スケジュールの作成や、社員が理解しやすいガイドラインの作成も重要です。

また、会社の成長に合わせて、人事評価制度もアップデートしていく必要があります。
メンテナンスのタイミングをあらかじめ検討しておくことで、制度の形骸化や会社に合っていない人事評価制度を運用することを避けることができます。

レポートの内容

社員の給与を社長の匙加減で決めていては社員は育ちません！
社員が自律的に成長していくためには、社員が頑張りたいと思える環境づくりが大切です。
そのため、会社が社員とともに成長していくためには、社員のモチベーションを高め、成長の指標を示す役割を担う「人事評価制度」の導入と運用が不可欠なのです。
このレポートでは、人事評価制度の基本的な考え方をお伝えしています。
人事評価制度を構成する「評価制度」「役職・等級制度」「給与制度」の概要だけではなく、実際に人事評価制度を構築するにはどのようなフローが必要か、フローごとに気を付けるべきポイントなど、人事評価制度を構築する際の土台となる内容です。