合同企業説明会に頼らない新卒薬剤師採用
こんにちは、医療・介護人材開発チームの石田智也と申します。
医療・介護人材開発チームでは、医療・介護分野の採用、教育、評価、組織活性のコンサルティングを行っております。
医療・介護の分野は他の業種と比べても、採用難易度の高い業種と言われるのですが、今回はその中でも、薬局における新卒薬剤師採用に関しての話をさせていただきます。
新卒薬剤師採用の難易度は年々上昇!
わたしは何年も新卒薬剤師の採用に携わっているのですが、ここ最近、薬剤師新卒採用の傾向が変わってきていることをひしひしと感じています。
今までは、合同企業説明会で母集団を形成できれば、あとはある程度確率論で最終的な入社人数を確保することができました。
ですが、今は合同企業説明会で集客ができたとしても、その次のステップである自社説明会に進んでくれる学生が減ってきてしまっています。
以前であれば、母集団形成から次のステップである自社説明会への参加移行率は40%くらいを維持することができたのですが、最近では20%を切ってしまうことも珍しくありません。
また、ステップごとの移行率も問題なのですが、合同企業説明会そのものに参加する学生が減ってきているようにも感じます。
「就職活動=合同企業説明会への参加」という図式が薬学性の採用においては成り立ちにくくなってきています。
このことは合同企業説明会だけで母集団を形成する採用モデルに限界が来ているということです。
これは何も合同企業説明会に出ることを止めましょうということではなく、合同企業説明会だけに母集団形成を依存する形では新卒薬剤師採用を安定させることが難しくなってきており、合同企業説明会以外にも母集団形成の柱を立てる必要があるということです。
脱合説依存で採用を安定化させる!
建物を安定させるためには多くの柱が必要なように、新卒薬剤師採用も複数の柱(採用チャネル)をつくり、万が一、そのうちの一本が倒れたとしても他の柱で支えられるような状態にしておくことが大事だと言えます。
それこそが脱合説依存の新採用モデルなのです。
このモデルには、OBコネクションモデル、薬局ステークホルダーモデル、実務実習モデル、一時受け入れ実習モデル、アルバイトモデル、授業代行モデル、ノウハウ提供型モデル、研究室モデル、サークルモデル、低学年向けインターンシップモデル、5、6年生向けインターンシップモデルなど様々なものがあります。
このモデルを構築するためには、各モデルの中身を理解し、自社の現状と照らし合わせて、何をどの順番に取り込んでいくと、自社らしい安定した形になるかを考えていく必要があります。
今回はその中でも5年生向けインターンシップに関してご紹介をしたいと思います。
通常の薬学生向けのインターンシップは単独で開催しても学生が集まりにくいというのが現状です。
具体的な事例のご紹介をする前に、多くの薬学生に集まってもらうインターンシップにするための3つのポイントを整理させていただきます。
薬学生向けインターンシップ成功のポイントは、
1、学生視点でのコンテンツ企画
2、的確な開催スケジュール
3、リアルな接点から広がる告知
になります。
1回で40名の薬学生が殺到!?その中から厳選2名を採用!
上記のポイントを踏まえ、開催したインターンシップで40名の学生を集め、その中から厳選して2名の学生を採用した事例をご紹介させていただきます。
こちらの事例はわたしがご支援をさせていただいている東海地区で7店舗を展開する薬局さんのものです。
【ポイント1】学生視点でのコンテンツ企画
ターゲットとなる5年生は実務実習も受けることから単なる現場体験ではわざわざ参加してみようという気になりません。
そこで、売り手市場であるということから学校ではあまり情報提供がされない就職活動に関しての進め方や悩み相談ができるコンテンツを企画しました。
さらにコンテンツの質を高めるため、自社の社員だけで話すのではなく、採用コンサルタントの私からの講和なども入れ、より内容は充実させていきました。
【ポイント2】的確な開催スケジュール
どんなに参加したくても実習の兼ね合いもあり、学生が参加できるタイミングは限られてしまいます。
5年生をターゲットにするのであれば、実習の合間である8月、12月を中心に計画するのが基本になります。
ここで開催をできないと、どんなに企画が良くても集客は落ちてしまいます。
【ポイント3】リアルな接点から広がる告知
このポイントが一番大切になるかと思いますが、いくら企画が良くて、上記の時期にやるといってもなかなか集客しづらいのが現実です。
この告知を就職媒体のコンテンツやDMだけに依存してしまうと、よほど認知度が高い企業でない限り失敗してしまいます。
この告知で大事なことは「リアルの接点→拡販」という観点です。
特に今の学生は、簡単な情報では動かずに口コミを大事にします。
そういう意味では、「実習に行った先がこんな企画してくれるから行かない?」、「研究室の先生にこんなイベントがあるって聞いたけど一緒に行こうよ」
これからの新卒薬剤師採用は、従来の合同企業説明会(学内企業説明会含む)だけに依存した形ではなく、いかに多くの採用チャネルを設けるかが鍵になります。
とはいうものの、自社だけでどのような採用チャネルが存在するかを考え、実践していくことは難しく、非常に効率が悪くなってしまいます。
もっとも効率的で良い形は、全国の他の薬局がうまくやっている方法を知り、それをしっかりと真似ていくことです。
ですが、普通に考えれば、同業他社が自分たちの成功事例を共有してくれる機会はなかなかありません。
そこで、船井総研では全国の薬局の経営者や担当者が集まる研究会を開催しております。
□調剤薬局経営研究会 http://funai89314.com/study/
9月度例会(2016年9月29日(木)@船井総研東京本社)
テーマ:【経営全般】薬局の地域連携と地域資源の活用
【採用・教育】薬局の教育・評価
11月度例会(2016年11月22日(火)@船井総研東京本社)
テーマ:【経営全般】同時改訂対策
【採用・教育】採用解禁間近の最終対策
なお、上記研究会は1社様につき1回1名様を無料でご招待させていただいております。
一度、無料でお試し参加をご希望される方は下記までご連絡ください。
船井総合研究所 医療介護支援部 調剤薬局コンサルティングチーム
TEL:03-6212-2224
Mail:yakkyoku@funaisoken.co.jp