【3分HR講座】一般社員向けの評価項目の作り方

【3分HR講座】一般社員向けの評価項目の作り方

コロナの状況が落ち着いてきました。2021年の有効求人倍率は1.13倍でしたが、現在は1.32倍へと採用競走も激化しています。企業が生き残るためにはどれだけいい人材が会社に残ってくれるか、育成を行うことができるかといったところで差がついてきます。
そのような中で、人事評価を見直したいとのお問合せが増えています。特に会社全体の大きな割合を占める一般(役職がない)社員に対して公正・妥当に評価し、適正な人件費配分を行いたいとの趣旨によるものです。そのため、今回は一般社員評価導入のポイントについてお伝えしたいと思います。

評価の原則

 (ア)戦力化スピードを上げる経営ツール

評価制度の本質は、事業の成長に合わせた「KPI」や実行してほしい項目を盛り込み、達成させることで 「戦力化スピードを上げる経営ツール」である。会社(経営者)が求めること・方針が明確になります。

 (イ)経営者の考え・事業計画と連動させる

経営者の考えや普段伝えていることを評価に落とし込む意味合いがあります。また、事業計画に合わせて何年間でどのくらいのスピードで成長させたいかといった考えを基に、社内に浸透させることが必要です。

一般社員の評価制度の具体的な作成手法

 (ア)評価すべき項目を分類する

よく頂くご相談として、あれもこれも評価をしたいけど何をしたらいいか分からないといったことが上げられます。経営者の頭の中で評価を行う場合、売上など目に見える数字結果などの定量的な項目。また、会社のために頑張ってくれているといった数字では測りにくい定性的な項目もあると考えられます。
そのような項目を分類し、何を評価すべきかを整理することが必要です。評価の大きな分類としては、①結果数字 ②重点評価(KPI等) ③スキル ④全社共通コンピテンシー に分かれます。

 (イ)評価の種類

4つの評価の種類について

①結果数字

結果数字に関しては、会社・部署・個人など最終的な数字です。上記の図にもある通り、職種によっては結果数字を求めない職種や個人の数字を求めていない場合があると考えられます。営業・技術・事務など職種に応じて、項目の選定が必要です。

結果数字例

②重点・KPI項目

①の結果数字を上げるために何をすることが必要なのかを考え、定量的に測ることができる項目が該当します。例えばどの要素が”客数・客単価・リピート率UP” につながるのか。新規事業を立ち上げるためにはそれまでに何をしなくてはならないのか。といった項目が考えられます。自社のビジネスモデル、職種によって変わりますが、この要素が一番の肝です。

③職種に応じた能力・技術に関する項目を設定する

職種に応じた能力や技術は技術職だけでなく、営業職や事務職にも求められます。各職種で専門性をたかめ、その分野のプロフェッショナル数値目標を達成するために必要な専門性(知識 技術)を明確にして、これらの項目を通じて専門職としての成長を促します。

④全社共通の会社全体の約束事を定める

まず管理職でない方々は、会社への帰属意識が高くない可能性があります。よって、社会人として、または自社の組織の一員として身につけるべきことを明確にすることが必要です。まずは会社の経営理念は普段から社員に伝えている約束事(挨拶をするなど)を整理して評価項目に上げて頂くと良いです。

 (ウ)評価をまとめて運用できる体制にする

①評価のバランス

(イ)で上げた分類は各職種によって重要度が変わります。最初に出した図のように職種ごとに配点を変えていくと、より現実的な評価内容に変わっていきます。営業職は数字で測ることができる定量的な項目、事務は数字だけで測ることができない定性的な項目を重視するといったような形です。

②管理職者を巻き込む

評価内容の選定や評価の配点のバランスは経営者だけでなく実際の部門の管理職者を巻き込んで、決定していくと良いです。実際に部下の評価を行うのは社長だけでなく、直接指導している管理職者になるので、評価を行う上での当事者意識を持ってもらうためにも、意見を出してもらうことが必要です。

いかがでしたでしょうか。評価が整理できていない、運用はしているが実情に合っていないと考えている企業様は、上記の切り口から一度見直してみるのも良いかもしれません。今後企業が生き残るためには、会社としての評価が定まっていることはマストになっているので、是非自社の状況を振り返ってみてください。