【3分HR講座】将来の幹部候補として新卒社員を育成するフレッシャーズキャンプとは
目次
新卒社員教育における大事な2軸
多くの企業は新卒採用において、中途採用と比較にならないほどの時間とお金と人員を投入して、新卒採用に取り組んでいます。それは、採用後に育成に多少の時間がかかるとして、企業の考え方や仕事のスタイルを浸透させやすいというメリットがあるためです。なので、多くの企業は採用後の受け入れとして、OJT(現場教育)をはじめとした実務の教育について真剣に考えます。もちろん、実務・スキルの教育は業績にも直結するため、いかに黒字社員(戦力化)にするかが重要な指標となります。
しかし、それだけでは新卒社員教育は不十分と言えます。なぜなら、本来新卒社員を採用しているのは、戦力化のためだけでなく企業・経営者の考え方を浸透させやすく、定着率も中途社員と比較して期待していることが大きな要因かと思います。そのように考えた際、実務の教育だけでなく、企業の考え方や社会人としての必要なスキル・マインドを教育することも重要となります。
教育は部署任せ、OJT任せでは早く育たない
実際に、多くの企業では新卒社員への教育は現場任せになっています。入社直後、簡単な研修や外部のビジネスマナー研修に参加させているケースは多く見られますが、本当はそれだけでは新卒社員の活躍を最大限に発揮できるとは言い難いです。また先輩社員も自分の仕事で手一杯であることや、そもそもどう教えていいかわからないケースもしばしば見られます。「とりあえず見て覚えろ、やって覚えろ」は新卒社員からするとハードルが高く、抵抗感を抱く場合も少なくありません。そのため、現場教育に依存せずに、全社で一括して教育できる体制と教育内容が求められます。
もっとも、OJTという現場で仕事をやりながら覚えていく(教育する)方式は今でも有効です。結局は現場での経験が“「仕事を覚える」という観点では効果的なのです。ただ一方で、社会人として必要なスキルや自社に合った考え方といった部分は、OJTではなかなか教えるのが難しく、また教える人によって大きく差が出やすいです。
ここでいう、社会人として必要なスキルというのは、例えば
・人前で話す力
・仲間と議論して1つの解を導き出す力
・コミュニケーション能力
・ロジカルシンキング
などが挙げられます。これらは企業が新卒に限らず社員に求めている能力でありながら、そこを磨きこむ体制や仕組みがない企業が多いです。
社長直轄の教育体制で早期育成と定着率アップを加速させる
地域・県1番店が現場教育だけでなくこうした新卒社員教育にも力を入れているのは、これまでの内容からもわかるとおり、現場のスキル教育だけでは新卒社員教育は不十分と感じ、理念教育やビジネススキル教育が企業の持続的成長には必要不可欠だと認識しているためです。
わたしたちはこれらの教育を「フレッシャーズカレッジ」と呼んでいるのですが、このフレッシャーズカレッジを通じて、以下のことを目指しています。
①新卒社員への理念の浸透
②新卒社員の定着率向上
③新卒社員のビジネススキルの向上
④全社で教育する・教えあう風土の醸成
これらは何か一つの施策で短期間×劇的に変わるというよりは、時間をかけて磨きこんでいくものですが、そうした教育体制を整備することが社員力を高める(土台を作る)うえで、非常に重要になります。
実際に、ある住宅会社様では、このフレッシャーズカレッジを2019年から取り組み始め、全社員のうち半数近く(全社員数約100名)がこの研修を受講。受講社員の4年間の離職率も11%程度と業界平均約20~30%と比較してもかなり低いといえます。さらに1期生(新卒4年目)のメンバーはすでに役職者として現場の第一線で活躍している人財ばかりで、企業成長を大きく牽引しています。
少なくない「時間」「お金」「人」といった資源を投資して採用した新卒社員を、早期育成ひいては
離職防止できる体制づくりを検討することが持続的に成長するうえで非常に重要になります。