新型コロナウィルスの影響で就活イベント・合同説明会が中止~採用期間の長期化に対応するための新卒採用のデジタルシフト~
新型コロナウィルスの影響で就活イベント・合同説明会が中止
~採用期間の長期化に対応するための新卒採用のデジタルシフト~
新型コロナウィルスの猛威が拡張する中、日に日に採用環境への影響も強まってきています。
2020年4月時点での影響としては、下記4点への影響が特に高くなっています。
①合同説明会・採用イベントの中止による母集団不足
②エントリーシート、面接開始の遅れに伴う採用スケジュールの延期
③会社説明会、採用面接のオンライン移行
④これらの複合的要因による長期フォローの必要性
特に、合同説明会を中心とした採用戦略を考えられていた企業にとっては、そういったイベント以外の母集団形成、ならびに長期フォロー体制の整備が重要となっています。
船井総研ではこれらの課題に対する解決策として、4つの方法をご提案しています。
①説明会・面接オンライン化の早期導入
②ナビサイトエントリー学生への個別追客
③WEBスカウト媒体の活用による新規母集団形成
④フォロー期間長期化に対応するリクルーター制度
今回はこの中でも特に即効性の高い、「③WEBスカウト媒体の活用」と「④リクルーター制度」をご紹介いたします。
WEBスカウト媒体の活用
ここ数年、徐々に企業や学生ユーザーが増加してきていたスカウト媒体ですが、新型コロナウィルスの拡大とともにオンライン化した新卒採用市場において、その重要性と効果が高まってきています。
スカウト媒体自体は多くの種類があり、対応エリアや登録学生のタイプによって特性が異なりますが、全国どのエリアでも汎用性高く利用できるものが、i-plug社の運営する「OfferBox」となります。
大学名や学部名で検索できることはもちろんのこと、出身地、出身高校までわかるため、地方企業がUターン・Iターンを狙った採用活動を行えます。
また、エントリーシートのように詳細に学制時代の経験の書かれた文章や写真、保持している資格の情報、さらには学生の人となりもイメージできるような情報が出ていることも特徴です。
さらに、スカウト媒体にありがちな、「届くメールが多すぎて、利用する側が疲弊する」という状況を避けるために、学生側が受け取れるスカウトと企業側の送れるスカウト数の上限が設定されています。
これにより、ユーザーからの反応も得やすく、有効な媒体となっています。
スカウト媒体を有効に機能させるには、スカウトの送付時に必ず押さえておかなくてはならない点があり、正しい手順を踏めば、送信したスカウトに対して「20%~30%」の割合で学生と会えるようになります。
そのポイントは2つ、「個別対応したメッセージの送付」と「1on1面談への誘導」です。
①個別対応したメッセージの送付
個別対応したメッセージの送付とは、学生プロフィールを見てその活動内容を評価するメッセージを作成して送る、ということです。
ただ、全文書き直してしまうと時間効率が合わないため、80%程度は同じ内容にし、20%程度をオリジナルにすることをお勧めしています。
オリジナルにする部分も、提携化しておき「サークルでの部長経験」という内容があれば、「マネジメント経験」や「リーダーシップ」という点として評価する、といったパターン化を図ることで1人あたりの送付時間を3~5分に抑えることができます。
②1on1面談への誘導
さらに、メッセージを読んだ後に学生を誘導する先は必ず「1on1面談」とします。
自社説明会に呼びたくなるところですが、それを直接やってしまうと誘導率は約3割程度に落ち込んでしまいます。
リクルーター制度
さらに、OfferBoxで誘導した学生のフォローや長期化するフォローに対応するために取り組んでいただきたいのがリクルーター制度です。
船井総研のクライアント企業で実施した、内定までの接触回数が承諾率にどのような影響を与えたのか?という調査によると、内定まで8回以上会っていた学生の承諾率は100%以上となっており、内定までの接触回数が減るほど承諾率が下がり、4回以下の学生の承諾率は0%という結果となりました。
それ以外にも、学生が会社の魅力を感じる部分を調べたアンケート結果でも、約65%の学生が人事や一般社員の方と接したことで会社に魅力を感じた、と回答しており、この項目の回答が年々高くなってきています。
リクルーターは、1クール(採用期間)あたりの自社説明会参加者÷3名の選定をお勧めしています。1人当たり同時並行で管理する学生数は3名まで、というイメージです。
リクルーターの選定は出身大学や会社へのロイヤリティ、個人の適正等で選定します。
基本的には自社説明会終了後、選考希望した学生を各選考の間に1度ずつ面談を実施し、最低3回の接触を推奨しています。
3回の面談におけるリクルーターの役割も種類があり、
1回目:仕事理解とリクルーターとしての役割を理解してもらい、仕事の魅力やリクルーター自身の魅力で惹き付ける
2回目:会社の理解を促進し、会社の魅力を伝えて惹き付けを行う
3回目:入社・内定にあたって不安を感じる点を個別で確認し、解消していく
以上のような機能があります。
また、最終的に内定を出す段階となった場合も、対象者全員に内定を出すのではなく、内定を出す基準になった学生を「合格者」とし、その中でも内定承諾率の高い学生だけに「内々定」を出すということも推奨しています。
これにより、内定承諾してくれるかどうかわからない内々定者ではなく、内々定者=内定承諾の確率が高い学生ということになり、採用人数の精度を高めることが可能となります。
リクルーターを通じた接触を増やすことで、採用期間が長くなりますが、その分採用期間の長期化には対応しやすくなります。
また、接触回数が増えることで採用辞退率も低下するため、現在のような採用フォローが長期化する環境においては効果的な手法となります。
日に日に状況は変わっていきますが、採用活動はその中でも動いています。
この事態に適切に対応すれば、この苦難を乗り切れるのではないでしょうか。
本コラム内容をまとめた動画を限定公開!
今回はこれからの新卒採用に関して執筆させていただきました。
いまだ新型コロナウイルスに適応した採用活動ができている企業は、まだまだ少ないのが現状であるかと思います。
そこで、本稿をお読みいただき、最新の採用活動に興味をお持ちになった方に向けて、内容をまとめた動画を限定公開いたします。
ぜひ自社の採用活動にご活用くださいませ。