優秀な人材や若手を定着させる方法

優秀な人材や若手を定着させる方法

優秀な人材や若手を定着させる方法

はじめに

こちらのコラムは以下の方に読んでいただきたい内容です。

・新卒採用をしているが、すぐに辞めてしまう
・活躍する前に辞めてしまうのはもったいない
・入社してから、業務に忙殺され、新卒社員が目の輝きを失ってしまう
・どうして辞めているのか、内定辞退になっているのか分からない
・せっかく採用したので長く働いてほしい

企業の成長には採用という施策は必須の施策でありますが、中でも新卒採用は未来の会社を担う人財の採用でもあり、

長期的な企業成長において最重要であります。

新卒採用に取り組み始めたときは分かっていたが、いざ始めてみるとやることが多すぎて、採用して終わりになってしまっていたり、そもそも受け入れまでの準備と次年度の採用活動がかぶり手が回っていないということもあるのではないでしょうか?あれほど労力をかけて採用したのに、活躍しない、すぐ辞めるという悲しい状況になっているのではないでしょうか?

採用して、育てて、定着させている会社は何をしているのか、それを本日のコラムでは紹介、解説していきたいと思います。

 

日本における「人材定着」の現状

(厚生労働省, 2020年10月発表)
新規学卒就職者の3年以内の離職率は押しなべて3割前後です。事業所規模が小さくなるにつれて、その割合は大きくなります。さらに業種業界ごとにも差はありますが、特にBtoCの接客、営業職や専門的な職種で人員不足から労働環境が厳しい業界での離職率は高い傾向にあります。

(厚生労働省, 2020年10月発表)

 

若手や優秀な人材が離職する理由

(参考:労働政策研究・研修機構, 「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」, 2019)

ここからわかることは「会社のことを知らない」ことによるミスマッチであるということです。船井総研の新卒採用コンサルティングで提唱している「会社好き・仕事好き・仲間好き」はここを取りこぼしなく、情報提供するための目印です。
優秀であるなしに限らず、新卒の離職を防ぐためには「採用活動時点で会社のことを知っていること」がまず一つ目に取り組むことです。
ただ今回のコラムでは「すでに採用活動が終了している」「入社して1年が経って、離職懸念がある」という方へ、定着施策をいくつかご紹介いたします。

人材の定着率を上げるためのポイント

定着施策のキーワードは「よく知っている」「横のつながり」です。この二つを満たすために、どうするのが効果的か?他の会社はどのようにやっているのか?上手くいっている理由は何か?を紹介・解説していこうと思います。

パターン①:入社前の社員(内定者)への定着施策

「入社前に徹底的に不安要素を失くす」
内定者時代に行う施策の目的は内定辞退の防止も含まれますが、内定辞退の防止と早期離職の防止は背景にあるロジックは同じで「会社のことを知らない⇒不安になる」というシンプルなものです。
ゆえに行うべきことは「会社の知らないことを失くし、不安要素を徹底的に失くす」ということになります。
テーマとしては以下です。

会社好きの視点で社長講話を行います。ここでは経営計画書を内定者と読み合わせを行い、会社で大切にしていること、歴史、MVVなどの解説を学生向けではなく、これからともに働く社員向けに行います。
次に仕事好きの視点で業界分析を行います。自社の行っている事業での競合、市場での優位性、商品、コンセプトの理解をしていきます。
そして最後に仲間好きの視点では社員との定期的な接触を心がけています。具体的にはこの研修の中で1時間でもよいので活躍社員講話を入れたり、そもそも研修とは別に会社のイベント(経営方針発表会や食事会、忘年会、新年会など)に招待、新卒社員研修への参加をさせていたりします。一番内定者に時間を使っている会社さんは内定者アルバイトということで内定者時代から入社後の育成を施しています。

パターン②:入社前の社員(内定者)への定着施策

「定期的に目線上げをする」
新入社員が離職している理由は先に述べた通りで、入社前後のギャップ、情報の非対称性が理由ですが、採用時点、内定者時代でも内定者アルバイトや長期インターンで実際の業務に携わらない限り、実務には多かれ少なかれギャップはあるものです。そして、その綻びから”隣の芝生が青く見える”、そして転職してしまうというパターンです。このコロナ禍においてはコミュニケーション不足から、綻びに気付けず、離職ということが増えています。

リアルでの業務が多く、出社も多い、社員との接触も多いのに離職してしまう…という方も多いのではないのでしょうか?

それはなぜか?ズバリ「現場レベルの目線に汚染されている」からです。

理由は一つで社長の考えを聞いて、会社のビジョンを聞いて、共感し、事業の崇高さに惹かれ、活躍社員に惚れて、入社してきている。

にもかかわらず、実際に業務を一緒に行う上司は社長でも活躍社員でも無いことがあります。入社時点での会社を選んだ理由とその会社で働き続ける理由が別のところに存在してしまうと、離職に繋がるのです。
入社して間もないタイミングで「仕事面白くないよな」の一言でメンタルが崩れ、休職、退社。よくあるパターンです。

これをうまく防げている会社さんは

・現場社員がマイナス発言をしない
⇒採用コストを知っていて、何としても育てるという意識の上に成り立っている
・社長や活躍社員との定期的な接点が入社後もあり、目線を修正できている
の二点のどちらかが、あるいは両方です。
一つ目は長期的な話になりますのでここでは二つ目の話をします。

これは新入社員1~3年目までを対象とした「次世代経営者育成研修フレッシャーズ」のカリキュラムです。

 

次世代経営者育成研修フレッシャーズ

月一回のペースで全9回のカリキュラムを組んで行っています。

実務に携わると、現場のミクロな視点に集中してしまいますが、この研修では「マーケティングとは」や「事業を知る」「PLを読む」と言ったように会社をマクロに捉え、経営者としての素地、またその視点を養う研修となっております。

とはいえ、それだけでは実務への影響は少なく、受け入れ側からすると、そんなことしている時間はない!ともなりかねませんので、社会人としての素地として習慣作りや主体性の話もしています。

下の表がタイムスケジュールです。

内容としては回ごとのトピックに加えて、社長、専務の講話と活躍社員講話がこちらから提供するコンテンツ、さらに研修に主体的に参加させるために課題図書の設定、感想文の提出、回ごとの宿題を与え、受動的な研修参加姿勢にさせないようにしています。

 

おわりに

自社の人材定着力を高めるため、今一度、「出来ている部分」「改善すべき部分」を振り返ってみてはいかがでしょうか。

人事戦略に関するおすすめ記事

優秀な人材や若手を定着させる方法

業績アップを加速させる人事戦略の作り方

採用計画の基礎知識