【介護報酬改定】時流に適した介護業界向け人事評価・給与制度とは
いつもコラムをご覧いただきありがとうございます。
今回は
・今後も地域からのニーズ対応のために
・施設数増加や複数事業への展開をしていきたいと考えている
・職員数30名以上100未満の会社様・社会福祉法人様向け
にどのような人事評価・給与制度の構築・運用をするべきなのか解説いたします。
目次
なぜ今【人事評価制度】に取り組むべきなのか
令和2年度、介護離職率は14.9%となり、過去最低の値となりました(公益財団法人介護労働安定センター『介護労働実態調査』より引用)。
これは全産業平均離職率の15.6%(厚生労働省『令和元年雇用動向調査結果』より引用)よりも低いものです。
また令和3年度介護報酬改定でも改定率『+0.70%』の軽微なプラス改定となり、概況としてはよくなっています。
そのような状況下だからこそ、人事評価・給与制度に取り組むべき主な理由は下記の2点です。
①地域包括ケアシステムの推進のための事業継続および拡大のため
②きたるヒト不足に備えた介護人材の確保と定着のため
ここからは、なぜ上記2点のために人事評価・給与制度が活用できるのかを解説してまいります。
また最後に紹介するセミナーではより詳細な解説および無料相談会を実施いたしますので、ぜひご検討ください。
制度導入のメリット
人事評価・給与制度がもたらすプラスの効果は下記の3点です
①理念や目標等の周知による組織文化の統一
②採用および従業員満足度・定着率向上
③事業所を担う人財の育成
①理念や目標等の周知による組織文化の統一
本コラム上では詳細を割愛いたしますが、令和3年度介護報酬改定にて、地域包括ケアシステム推進では『住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を推進すること』を目的とした改定が行われました。
これらに対応していくために、比較的状況がよい今だからこそ、サービスの見直しや新たな新規事業所の開設を考えている企業様・法人様も少なくないと思います。
ですが、拡大を検討している方のお悩みでよく弊社がお聞きするのが「組織の状況」についてです
具体的には
・組織の価値観や向かう方向の浸透が十分でなく、拡大後の離職やサービスの質低下による”空中分解”が不安
・リーダーや管理職を目標とする幹部候補が出てこない、そもそも何を求めているかが不明瞭になってしまっている
などのお話です。
人事評価・給与制度を導入・浸透させることで、組織文化を形成し、これらの悩みにアプローチすることができます。
ただ、ここで注意が必要なのは浸透のためには作って終わりではなく、地道な運用が必須だということと、あくまで評価・給与制度はこれらの組織文化を伝える手段であり、根幹には経営計画・経営理念やビジョンがあり、それらを伝える一つの手段だということです。
②採用および従業員満足度・定着率向上
冒頭にて介護業界における離職率は過去最低というデータを紹介いたしましたが、一方で、そもそも慢性的な人手不足にあるという会社様・法人様も少なくないかと思います。
また少子高齢化の影響により、将来はより人手不足が加速していくと言われてます。
このような確実にくる未来に備えて、離職防止・定着、そして採用力強化の施策は必要不可欠です。
介護業界における離職理由には
・職場の人間関係
・結婚、出産、妊娠、育児などの変化
・法人や施設・事業所の理念や運営のあり方への不満
・自分の将来イメージがわかない
などがあります。
人事評価・給与制度をいれてこれらの理由を一足飛びに解決することはできませんが、制度を通じて改善すること・方向を指し示してあげることはできます。
職場の人間関係においては、どのような部分が本当のネックになっているかを評価面談等で把握することがまず大事です。そしてその後、解決のための施策を展開することができます。
ライフステージの変化については、制度によってまず指し示し、不安感を取り除くこと
理念・運営の在り方への不満や将来イメージについては、人事制度を通じてキャリアパスや給与イメージを明確化し、今後組織が向かう方向に加えて、従業員にもどうなっていってほしいか、を示すことで改善が期待できます。
そして、施策展開の際には競合事業所との比較をして”負けない”条件を作っていくことも重要です。
また、上記を充実させていくことで既存の従業員だけでなく、採用時の惹きつけにも活用することができます。
③事業所を担う人財の育成
周知の通り、介護業界における育成・戦力化には中長期的な視点を要します。
スキル習得や資格取得にはある程度の年数を必要とする経験・知識を必要とし、また自事業所において活躍してもらえる人財になる為には①でも述べた組織の理念・目標にのっとったマインド・スタンスをもっていただくことも必要となります。
人事評価制度はこれらにも大きな効果が期待できます。
制度を活用することで、場当たり的な指導から脱却し、介護スキルの標準化、介護サービスの質向上につながります。
活用のポイントとしては
・構築時に一貫した人財像を定め、マイルストーンを明確にすること
・運用時には計画的な育成計画と、各人に合わせた指導育成を実施すること
があり、企業様・法人様それぞれの状況に合わせた制度設計と運用が必要となってきます。
いかがだったでしょうか。
今回は介護業界における人事評価制度が必要な理由とポイントをテーマに簡潔にお送りいたしましたが、
この場ではお伝えしきれなかった情報・知識もございます。
2022年1月に、弊社にてより詳細を解説した介護業界向け評価・給与セミナーを実施いたしますので、ご興味がある方は是非、お申し込みくださいませ。
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