【人事評価・賃金制度】変動給とは?作り方も含めて徹底解説!~インセンティブ・達成報奨金~

【人事評価・賃金制度】変動給とは?作り方も含めて徹底解説!~インセンティブ・達成報奨金~

株式会社船井総合研究所(船井総研)HRストラテジー支援部組織開発グループの松尾です。本コラム記事では、人事評価・賃金制度の関連で、「変動給」について解説しています。変動給の作り方、インセンティブ・達成報奨金などの考え方や導入方法などについてもお伝えしています。企業の経営者・人事責任者・人事担当者は必見の内容です。

【変動給とは】

変動給とは、会社の業績や個人の成果に応じて支払われる給与です。

給与は大きく固定給と変動給で分けられ、毎月固定で決まった額が支払われるものを固定給、支給時期により支給金額が異なってくるものを変動給と言います。
具体的には、インセンティブや歩合、報奨金、賞与などが変動給に分類されます。変動給は頑張った分だけ給与が上がる仕組みとなっているため、社員のモチベーションアップが期待できます。

給与に含まれる固定給と変動給の割合は企業によって異なり、変動給の支給方法は採用市場においても重視される部分でもあるため、慎重に設計していくことが大切です。

【インセンティブ制度】

インセンティブとは、あらかじめ、目標(ノルマ)を設定しておき、その目標以上の成果に対し、売上の〇%を固定給に上乗せされる給与になります。従業員の年間業績や個人的な成果に応じて支払われることが多く、モチベーションを高めるだけでなく、従業員の給与を補完する役割も担っています。

ただし、目先のモチベーションには繋がりますが、管理が煩雑になる可能性もあるため注意が必要です。

インセンティブ制度の種類

インセンティブ制度には下記2種類の支給方法があります。

①個人実績に対するインセンティブ

②チーム(部署や店舗など)に対するインセンティブ

①個人実績に対してインセンティブを支給する場合は、主に営業職の方を対象とするケースが多いです。また、より多くの給与を得るため従業員一人一人が個人の実績向上にフォーカスして取り組んでもらうことが可能です。
②チームに対するインセンティブ制度では、同じ部署の仲間と協力しながら目標達成を目指すことが出来る点がメリットになります。
チームに対するインセンティブが支給されるのは下記のパターンがあります
・部署や店舗全体での実績が基準を上回っている場合
・全社における部署や店舗全体の実績が上位となっている場合

一概に個人とチームのどちらに対するインセンティブ制度を取り入れるべきかという判断は各企業ごとに目指している方向性により異なります。
ただし、チームに対するインセンティブ制度があることで、企業の合言葉にもなり従業員に浸透させることができるため、現在、取り入れていない場合は手当の内容なども併せて検討していくと良いでしょう。

【インセンティブ制度の設計】

インセンティブ制度を取り入れる際、固定給との割合はどうするべきなのか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。最近では、固定給の割合を多くした方が良いという考え方が主流にはなってきていますが、企業の規模や目指す方向性により設定すべき割合は異なります。
こちらでは、企業の成長段階フェーズに合わせた固定給とインセンティブの割合を解説していきます。

■成長期フェーズ

変動給(インセンティブ)の割合を高める

個人実績をインセンティブとして直接評価することで、インセンティブを意識し個人実績を上げていくことで従業員のモチベーションが上がるような仕組みにします。
ただし、ここでの注意点は変動給の割合が、高くても5割以下にすることです。
インセンティブは実績により変化します。業界によっては繁忙期と閑散期が存在し常に一定の実績を上げられる訳ではありません。
また、自然災害など未曽有の出来事がいつ発生するか分からない中、変動給が無くても安定した生活できる固定給の割合が一定以上確保されておくことが重要です。

■成熟期フェーズ

チームでの達成手当を重視する

個人実績でのインセンティブを無くし、チームでの目標に対する達成度でインセンティブを支給します。また、部門や店舗の実績を評価内容に含めていきましょう。

固定給の割合を高める

安定して長く働ける企業となるため固定給の割合を高めておきます。

■インセンティブを設計する上での注意点

会社の資金と社員の安心を考えて設計する

固定費の割合を決定する上で、人件費で会社の資金を圧迫しすぎることを防ぐため固定給の割合を高くしすぎず、社員が安心して働ける一定の固定給の割合の高さを確保して設計することが大切です。

部署間で大きな差が無いかを検証しながら設計する

個人のインセンティブ割合が大きくなれば対象の部署(多くは営業)のみ給与が高くなってしまう可能性があるため、部署間の給与バランスを考慮しておくことが大切です。

インセンティブ・歩合給からのスムーズなシフト

部門達成と個人実績の両方を加味した制度に変更していきます。

業界の傾向と時流を考える

インセンティブの割合を多く設計する傾向がある業界(不動産など)があったり、今後の時流としては固定給の割合を高めにしインセンティブ(変動給)をコントロールすることであるため、自社の業界や成長段階、時流を考慮した上で取り入れることが望ましいです。

固定給と変動給の割合の変更は徐々に行う

固定給と変動給の割合を変更する方針となった場合でも、理想の割合まで急激に変化するのは危険です。長期的に計画を立て、徐々に割合を変化させていくことで従業員の理解を獲得しながら、自社の人件費も調整できる範囲で移行していきましょう。

【まとめ】

変動給は自社の経営面(人件費)、従業員満足度、求職者目線など、様々な立場の方が重要視しているポイントの1つです。またその立場により、求める内容が異なります。
そのために、まずは企業をどのように成長させていきたいか、という方向性を明確にしていくことは一つの重要なステップになります。
その上で、
・どの目線を重視して設計するべきなのか
・対象は個人かチーム単位なのか
・どのタイミングで内容を変更していくべきなのか
など自社に合った形で、慎重に設計していきましょう。

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