【中小企業の長期インターンシップの実施方法とは?】メリット・デメリットも含めて徹底解説!

【中小企業の長期インターンシップの実施方法とは?】メリット・デメリットも含めて徹底解説!

株式会社船井総合研究所(船井総研)HRストラテジー支援部組織開発グループの森です。本コラム記事では、中小企業の長期インターンシップの具体的な導入方法や、導入におけるメリット・デメリットについて、解説しています。人材採用活動において、長期インターンシップの導入を検討されている中小企業の経営者・人事責任者は必見の内容です。

新卒採用におけるインターンシップの位置づけ

新卒採用に取り組む企業にとって、もはやインターンシップは当たり前のものになってきています。インターンシップに参加した企業への本選考応募は 85.7%。インターンシップに参加してもらうことが採用活動の成功を左右すると言えるほど、重要性は増してきています。
さらに、新型コロナウイルスの影響による就職活動や授業のオンライン化など大きな時流の変化も加わり、インターンシップを取り巻く環境は大きく変化しています。例えば、授業や就職活動のオンライン化が進んだことにより、より自由に使える時間が増え、有効活用しようという学生も目立ちます。また、コロナ禍での就職活動への不安から、年々活動が早期化しており、大学1年生から就職を意識して行動している、という学生も増えてきました。

そんな学生たちに注目され始めているのが、長期インターンシップです。
本コラムでは、
1.長期インターンシップと短期インターンシップの違い
2.企業にとっての長期インターンシップ メリット・デメリット
3.長期インターンシップを導入する際のポイント
について解説していきます。

長期インターンシップと短期インターンの違い

長期インターンシップと対比されるのが短期インターンシップです。短期インターンシップとは、一般的に採用活動をする際に実施しているインターンシップのことを指します。多くの方がイメージされるのは、これに該当するかと思います。
大きな違いは3つ、①期間 ②給与の有無 ③目的です。

長期インターンシップ 短期インターンシップ
1か月~(数年単位になることも) 期間 1day~2weeks
有給 給与 無給
自己成長
社会人としての経験・スキルUP 目的 職場体験
業界・業務・会社理解

①期間

長期インターンシップは、少なくとも1か月以上実施するもので、一般的には数か月~1年単位で就業します。毎日勤務する学生もいますが、週2日~など学業を考慮したスケジュールの場合が多いです。

②給与

長期インターンは、一般のアルバイトと同じように時給にて給与を支給することがほとんどです。というのも、仕事内容は実際の現場に入り、社員と同じように業務を行うからです。アルバイトとの違いは、学生の参加目的や仕事内容が挙げられます。この点は③に記載します。

③(学生にとって)参加する目的

最も大きな違いは、学生の参加目的です。
短期インターンは、職場体験を通して業界・会社・業務の概要を理解することが目的です。一言でいうと、お試し体験。就職活動に向け、短時間で仕事を体験したり、会社の雰囲気を把握したりするために実施しています。
一方、長期インターンは「自己成長」が目的です。企業の一員として責任の伴う業務をしてもらうため、ビジネス環境の中で実務経験を積むことができます。学生のうちに社会人経験を積むことができ、スキルも磨いていくことができますので、より意欲的な学生が参加する、というのも特徴です。
参加期間以外にも大きな違いがあることは、お分かりいただけましたでしょうか?

企業にとっての長期インターンシップのメリット

意欲的な学生が参加してくれると聞くと長期インターンシップをぜひ導入したいと思われる方もいらっしゃると思います。ですが、職場環境によっては導入した方がよい/しない方がよい場合があります。メリット・デメリットをお伝えしますので、自社で導入すべきかどうか検討しながらお読みください。

<メリット>

①優秀学生を新卒採用できる

なぜ採用できるのか、2つの側面があります。
1つは、通常の採用活動では集められないような優秀な学生が、長期インターンであれば応募してくれるという側面です。企業規模が小さい場合であっても、学生が成長できる環境と判断すれば、応募してもらえます。これまでは出会えなかった優秀な学生と出会えるというのは、大きなメリットです。
もう1つの側面は、実際の働きぶりをみて採用することができることです。履歴書と面接だけでは、なかなか良い人材を見極められない、というお悩みはありませんか?長期インターンシップは、実務を通してスタンス・スキルなどを評価・見極めができるため、採用のミスマッチも起きにくくなります。

②人件費削減

長期インターンシップで任せる仕事は、正社員と変わりありません。もちろん、学生ですから難易度は下げる必要があります。分業し、難易度の低いものを学生に任せることで、正社員は難易度の高い業務のみに集中させることができます。結果的に、正社員の数を減らすことができ、人件費削減が可能です。

③組織活性化

学生が組織に加わることにより、社員同士でサポート体制を築くなど、コミュニケーションを取らざるを得なくなります。また、学生に業務を依頼するために、業務の棚卸やマニュアル作りの必要が出てくるため、業務の平準化が進みます。このように、受け入れるための準備だけでも社内の交流は増え、活気のある職場へと変化してきます。

企業にとっての長期インターンシップのデメリット

<デメリット>

①工数がかかる

業務の平準化をしたり、学生の受け入れ・指導をしたり、何かと工数がかかります。人員不足により業務が逼迫している場合は、学生の受け入れという業務が追加されることになりより苦しい状況となります。ただ、学生が一人前に業務ができるようになれば、社員と同じように業務をこなすことができるようになります。長年、長期インターンシップに取り組んでいる企業では、学生が学生へ指導する、という場合もあります。

②優秀人材が短期間で辞めてしまう可能性

どんな社員であっても、急に退職となると職場にとっての打撃は大きいものです。長期間業務を支えてくれている学生が、大学卒業と同時に辞めてしまうと少なからず影響があります。期間限定だからこそ、学生採用のハードルが低い一方、(正社員としての採用につながらなければ)業務への影響が出てしまうデメリットがあります。

長期インターンシップを導入する際のポイント

ここまでお読みいただき、長期インターンシップを導入してみたいと思われた方もいらっしゃるかと思います。導入する際にもおさえていただきたいポイントがありますので、解説いたします。

①募集方法

長期インターンシップ募集専用の媒体があります。通常の合同説明会やマイナビ等の大手求人媒体では、学生のニーズと合わない可能性が高いです。専用の媒体を活用するようにしましょう。ですが、専用の媒体に費用をかけることに抵抗がある方もいると思います。そういった方は、まず短期インターンシップに参加してくれた学生に提案するところから始めると、スタートがしやすいです。

②業務の任せ方

業務フローを難易度別でいくつかのステップに分けておくようにしましょう。少しずつステップを踏んでいく(できる仕事を増やす)ことにより、学生が重視している「自己成長」を感じてもらいやすくなります。また、社員側の負担がかかりすぎないように準備することも重要です。マニュアルを作成するなど、手取り足取り指導しなくても業務ができるように備えましょう。

③学生フォロー

メンターとして気軽に相談できる社員を設定しましょう。学生が社会人に混ざって、仕事の責任を追うというのは大きなプレッシャーがかかります。せっかく入社してくれた学生も、業務およびメンタルフォローがなければ短期間で辞めてしまいます。始めのうちは、学生1人につき社員1人が担当し、日々の業務指導だけでなく、不安解消などのフォローをすることが長く勤務してもらうポイントです。

④新卒採用に向けて

長期インターンシップに参加しているからといって、大学卒業後も働いてくれるとは限りません。新卒採用につなげるためには、次の2点を意識しましょう。
1つは、キーワードである「自己成長」です。入社後も成長していける環境があるかどうか、インターンシップで任されている業務以外にも大きな広がりがあることを伝えていく必要があります。
もう1つは、定期的に経営陣との接点を作ることです。インターンシップは仕事内容で選ばれることが多いですが、新卒で入社する企業を選ぶ際は、会社のビジョンを見られることが多いです。フォロー担当の社員だけでは、会社のビジョンを魅力的に伝えるには限界があります。そこで、定期的に経営陣がビジョンを語ることで、惹きつけていくことができます。

いかがでしたでしょうか?インターンシップについて、理解は深まりましたでしょうか?
学生からも企業からも注目されている長期インターンシップ、皆様もぜひチャレンジしてみてください!導入の方法などサポートを希望される方は、お気軽にお問い合わせください。

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