【船井総研予測!】2024年の人事評価制度・賃金制度のポイントとは?動向・トレンド・今後
いつも本Webサイトをご覧いただきまして、ありがとうございます。株式会社船井総合研究所(船井総研)HRストラテジー支援部組織開発グループです。2024年の人事評価・賃金制度の動向・トレンド・今後について解説しています。
目次
人事評価制度・賃金制度:最低賃金の決定方法
厚生労働省「地域別最低賃金の改正手続の流れ」(一部改変)によりますと、最低賃金はまず中央最低賃金審議会から示される引上げ額の目安を参考にします。
その上で、各都道府県の地方最低賃金審議会で所定の手続きを経ます。最終的に都道府県労働局長により決定されます。
毎年7月~8月の間に中央最低賃金審議会から、「地域別最低賃金額改定の目安について」という答申が公表されています。
その中で、その年の最低賃金引き上げ額予想などがニュースや新聞で取り上げられるかと思います。
最低賃金を決める際、都道府県はABCDの4つに区分されていました(現在は3区分)。
区分は、1人あたり県民所得や1世帯あたり消費支出などの複数の経済指標を基にした総合指標によります。
賃金は各地域の経済実態に応じて実質的に平等であるべきとの観点から、各ランクごとに引上げ目安金額を示されます。
人事評価制度・賃金制度:今後の最低賃金予想
時系列で示しますと、2023年3月の政労使会において、岸田文雄首相は最低賃金の地域間格差解消について、「地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げることも必要」と発言しました。格差解消に関心を示した形です。
その上で、岸田文雄首相は2023年8月31日、新しい資本主義実現会議にて、2030年代半ばまでに最低賃金額について全国加重平均で1500円を目指すと発表しました。
背景はいくつかあります。まず、都市部と地方部で1人あたり県民所得や1世帯あたり消費支出などの複数の経済指標を基にした総合指標の格差が縮小しつつあることです。
これに対して賃金格差はいまだ顕在化しているため、ゆがみを解消しバランスを取ろうとする動きがあります。
人事評価制度・賃金制度:最低賃金バランスに関する動き
1つ目の動きとして挙げられるのは、現在適用されている都道府県をABCに区分するランク制度の見直しです。中央最低賃金審議会はこれについて2028年頃見直しを行うべきと提言しています。
2つ目は、最低賃金法の改正による全国一律制度の実施です。これは都道府県関係なく、最低賃金を一律とする考え方です。
全労連は中央最低賃金審議会の提案する2028年のランク制見直しでは遅すぎるとし、早急な是正のために本制度の実施を求めていく姿勢を強調しています。
人事評価制度・賃金制度:今後の最低賃金引き上げの展望
2035年までに最低賃金全国加重平均1500円達成を仮定しますと、各年少なくとも毎年43円程度の引上げが必要です。
加えて、もし全国一律制度が導入された場合、2035年に1500円達成のためには50円以上引上げが必要となる都道府県もあります。
2023年10月改定でも山陰地方・九州地方では45円以上引き上げられた県もあるため、今後は50円以上の引上げ額も現実味を帯びてくると言えるでしょう。
人事評価制度・賃金制度を改定する際の注意事項
まずは、現状の支払額が最低賃金を下回っていないかの確認が必要です。
最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、従業員との合意の有無に関わらず、不足額を最低賃金適用時に遡及して支払う必要があります。
また、最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。
人事評価制度・賃金制度の整備:デジタル化やDX推進における影響
デジタル化や各種DXの推進も人事評価・賃金制度を考える上で大事なポイントになりつつあります。
AIや機械学習の導入により、従来の人事評価や賃金決定プロセスが効率化される一方で、従業員のスキルや成果の評価方法にも変化が生じる可能性があります。
これに伴い、新たな評価基準や報酬システムの構築が求められる可能性があります。
またアフターコロナ時代の本格化で、対面やリアル、オフィス回帰が進んでいる企業が増えてきています。
その中でのリモートワークなど柔軟性の高い働き方における社員の評価手法の整備や、成果をより重視していく可能性も出てきます。
社員の働き方が多様化する中で、時間や場所にとらわれない柔軟な評価基準や報酬システムが求められることになります。
企業は社員の成果や貢献度を重視し、それに合わせた公正な報酬を提供する仕組みを築く必要があると考えられます。
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最低賃金改定に伴い、賃金制度の見直しを検討されている経営者様
目次
1、2024年以降の最低賃金予想
2、過去最低賃金の推移
3、賃金制度を改定する際の注意事項
4、具体的な賃金制度改定手法
5、賃金制度改定事例
このレポートを読むメリット
本レポートは、過去最低賃金決定時に議論された内容や現在議論されている内容について解説しております。
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