評価制度の事例6選!成功事例から学ぶ
人事評価制度とは「等級・役職制度」「評価制度」「報酬制度」等の人事管理に絞り込んだ制度について言います。こちらのコラムでは、人事評価制度の事例について解説をしていきます。
2.人事評価制度の仕組みを図解
人事制度は、「等級・役職制度」「評価制度」「報酬制度」から成り立ちます。人事制度の目的は、この3つの制度を元に、従業員の社内の位置づけを設定し、適性な評価を実施、処遇を与えることで、人事管理を効率化し、人材を育成し、従業員のモチベーションを高めることにあります。
とくに、社会やビジネスにとって未来の予測をすることが難しくなった現代では、こまめな人事制度の見直しが求められます。
目次
2-1.等級・役職制度
等級・役職・資格等によって社内での位置づけを決める制度のことをさします。この制度に基づいて、報酬等を決定していきます。
▼等級・役職例
2-2.評価制度
従業員のマインド・能力・知識・成果に基づいて評価をする仕組みのことをさします。この制度に基づいて査定を行い、等級・役職の昇降級や賞与・月給等の報酬への反映を行います。
▼評価制度例
2-3.報酬制度
等級・役職制度と評価制度に基づいて、従業員の月給、賞与、退職金等を決める仕組みのことをさします。
▼報酬体系の例
3.企業の評価制度の運用目的
評価制度の運用目的は「経営理念と事業戦略の達成」にあります。経営理念を策定するだけでは、従業員個々人の目標設定ができないため、経営理念に基づいて、事業戦略を策定し、事業戦略に基づいて各従業員の目標を設定する仕組みを人事評価制度に盛り込んでいきます。これを目標管理制度とも言います。
4.人事評価制度の導入手順と事例
4-1.導入手順
導入手順に関しては以下の記事をご覧ください。
https://docs.google.com/document/d/1JDr3LPF92SFC5-hvQbLahXfNZObr1PScLVtDO4CK7TM/edit
今回は、人事評価制度の事例についてご説明いたします。
評価制度の設計にあたって、各職種のKGI/KPIを設定します。KGI/KPIの各テーマを管理会計の科目分類に連鎖するように設計し、それによって、各職種について評価項目を定量化することが可能となります。
▼製造業でのKPI設計例
KGI/KPI設計後、各評価項目を作成します。
最終的に成果(KGI)につながるようにKPI、KPIにつながるように知識・技術の項目、さらにそれらを支えるようなマインド項目を設計します。管理職については、部下育成や方針を徹底させるためのマネジメント項目を設計します。
4-2.事例➊人材紹介
人材紹介では主にリクルーティングアドバイザー(以下RA、法人向け営業)、キャリアアドバイザー(以下CA、求職者向け営業)、マーケティングサポート(以下MS、Web運用担当)の3つの職種で部署が構成されることが多い業態です。評価制度では、この3職種それぞれにたいして項目を用意していきます。
評価制度構築の肝となるのは、KPIです。例えばリクルーティングアドバイザーのKPIとしては以下が挙げられます。こちらのKPIが評価項目の軸となり、このKPIを達成するための知識・技術、マインド等を項目として設定していきます。
▼リクルーティングアドバイザーのKPI例
▼キャリアアドバイザーのKPI例
例えばA社では以下のような項目を採用しています。(抜粋)
・KGI/KPI
・個人売上
・紹介オーダー法人数
・面談設定数
・面接からの成約率
・知識・技術
・コンプライアンスの理解・遵守
・プレゼンテーション能力
・ネゴシエーション力
・マインド項目
・経営理念への理解
4-3.事例➋住宅
住宅会社では主に、マーケティング、営業、工務、設計等の職種で構成されることが多いですが、それぞれに対して評価項目を設定していきます。さらに細かく分業をされている企業様もあるかと思いますが、その場合には、それぞれに対して評価項目を設定していきます。
例えばB社の営業職では以下のようなKPIを設定しています。
また、以下のような項目を採用しています。(抜粋)
・KGI/KPI
・契約棟数
・契約粗利
・新規顧客から得たアポイントメント率
・契約率
・顧客満足度
・知識・技術
・コミュニケーション力
・問題発見力
・ネゴシエーション力
・マインド項目
・経営理念への理解
・報連相
4-4.事例➌不動産賃貸
不動産賃貸の会社では、Web担当、賃貸仲介営業、賃貸管理事務、賃貸管理営業などで職種を構成することが多く、それぞれに対して評価項目を設定していきます。
例えばC社では以下のようにKPIを設定しています。
また、賃貸仲介では、以下のような項目を採用しています。(抜粋)
・KGI/KPI
・個人粗利額
・入居率
・メール反響来店率
・電話反響来店率
・来店成約率
・AD金額
・一般媒介受託件数
・管理受託件数
・オプション付帯率
・知識・技術
・業界知識
・コミュニケーション力
・ロープレ回数
・マインド項目
・経営理念への理解
・報連相
4-5.事例➎介護
介護関連の会社では、KPIで評価制度を構築することが難しい場合が多いため、知識・技術を中心の評価項目を設定することが多いです。今回はポイント制を導入されている企業様をご紹介します。
こちらのD社では、ケアの種別で分業することなく、社員全員が多種のケアを行っています。そのため、ケアの種別ごとにポイントを決定し、稼働量に対してポイントを付与しています。このポイントの多寡によって賞与や月給の昇降級を決定しています。例えば、以下のように設定しています。(抜粋)
4-6.事例➏調剤薬局
調剤薬局の企業では、主に調剤事務と薬剤師という職種で構成することが多いです。ただし、昨今は、地域包括ケアシステムの実現のために、対外的な会議や介護施設・在宅医療の営業に組織的に取り組んでいる企業もおおく、そのような企業では営業職やラウンダーといった職種も発生しています。その場合には、それらも含めた職種ごとに評価項目を設定しています。
例えば、調剤事務では、以下のような評価項目を設定しています。(抜粋)
・知識・技術
・調剤報酬改定への理解
・一包化
・貼り付け業務
・ピッキング
・マインド項目
・勤怠
・対人コミュニケーション力
・環境適応力
5.さいごに
最後までお読みいただきましてありがとうございました。ここまで色々な情報をお伝えしてきましたが、全てが自社にマッチするわけではありません。企業の特徴や状況によって必要なことが変わってくるのです。
ぜひ評価制度の導入をご検討の方は自社に何かマッチするのか、何を取り入れたら良いのかを検討してみてください。
もし悩まれたことがありましたら、いつでもご質問をお受けいたしますのでご相談ください。